長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 “超”が3つ付くくらい短気な男
ロカビリー投法で知られた西鉄の若生忠男。1955年に入団し、57年から一軍定着した。打者の内角をグイグイ攻めるキレのいいシュートが武器で、67年にはノーヒットノーランも達成している。69年、
巨人に移籍し、70年限りで現役引退した。
非常に負けん気が強いというか、“超”が3つ付くくらい短気な男で、武勇伝も多く、先輩の
豊田泰光と合宿所でケンカになった際は、飾ってあった日本刀を持って豊田を追いかけ回したという。
頭に血が上ると見境なくキレることから、西鉄の豪傑たちですら手を焼き、
三原脩監督も気を使ってか、「若生」ではなく「若生ちゃん」と呼んでいたらしい。
また、何を言ったか知らないが、三塁コーチに立った近鉄監督時代の
別当薫が何かヤジると、別当をめがけボールを投げつけ、別当が避けてボールが転々とする間に一塁走者が三塁まで進んでしまったこともあったという。ああ、コワ。
写真=BBM