静岡・春翔一朗[投手/3年]

静岡・春翔一朗
これほどセンバツにふさわしい名前の選手もいないだろう。春(はる)翔一朗。昨年のセンバツで公式戦初登板し、今年はエースとして春の甲子園のマウンドを踏む。
ストレートの最速は134キロ。決して速くはないが、これが打てそうで打てない。自慢の制球力と微妙に動くボールが打者を幻惑するのだ。
腰を痛め、県大会は背番号10。栗林俊輔監督から「責任、自覚がない」と厳しく指摘され、目が覚めた。エースの座を奪い返した東海大会では準々決勝でいなべ総合を4安打完封し、中京学院大中京との準決勝も4失点完投。東邦との決勝は6回からリリーフ登板し、強力打線を4イニング1安打1失点に封じた。
明治神宮大会では日本航空石川との初戦(準々決勝)で12安打を浴びながら完投。同校に神宮大会初勝利をもたらし、全国でも通用することを示した。センバツへ向けて、肩周りを柔らかくすることや、下半身強化に努めた。
「目標はベスト4以上です」
その表情には自信がにじむ。
写真=BBM