
ホームランを打ち、ほえた川上
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は3月28日だ。
2008年は3月28日がセ・リーグ開幕。前年の日本一
中日は本拠地ナゴヤドームで
広島を迎え撃った。
中日の先発は4年連続6回目の開幕投手となる
川上憲伸。ただ、立ち上がりは制球が定まらず、2回で59球と悪戦苦闘の投球となる。この時点では9回を投げるのは難しそうな状態に見えた。
しかし、川上は自分のバットで完投ペースに乗せる。3回表、広島に1点を先行されたその裏だった。川上は広島の先発・
大竹寛のスライダーに「体が反応した」(川上)と、左越え同点ソロ。これで生き返った川上は、4回から8回まで1安打ピッチング。結局、9回まで2失点と、まずはエースの仕事を果たして降板した。
それでも、「相手にいつも先に点をやってしまったのを反省したい」と川上が厳しい表情を浮かべたのは、広島の先発・大竹の好投もあって勝利を引き寄せられなかったからだ。8回まで4安打1失点の力投。四球はわずかに1。「自信になった」と大竹。ブラウン監督もエース候補の踏ん張りに「大人のピッチングができるようになった」と喜んだ。
試合は9回裏に中日・
中村紀洋が同点打を放ち、2対2で延長戦に。以後は両軍リリーフ陣が頑張り、12回2対2のまま引き分けとなった。開幕戦で本塁打を放った投手はプロ野球13人目、中日では初めてとなる。なお、川上は3月30日にFA権を取得。オフにメジャー挑戦を果たす。
写真=松村真行