
ウイニングボールを持ちながら栗山英樹監督と握手
おそらく、紛らわしいというコメントが殺到していると思うが、こういう企画なのだから仕方ない。
過去のプロ野球でこの日、何が起こったかを紹介していく連載。昨年の開幕戦からスタートしたから、これで1年が経ったことになる。ひとまず365日一度も休まずに完走したが、正直、ネタ探しに苦労した日もあり、2年目、完走できる自信はない。
今回は2012年3月30日、あの佑ちゃんの好投だ。
意地が詰まった110球だった。3月30日の
西武戦(札幌ドーム)。初の開幕投手を任されたのが、
斎藤佑樹だった。前年わずか6勝の2年目右腕。絶対的エース、
ダルビッシュ有が抜けた後ではあったが、懐疑的な意見も多く、スタンドの雰囲気も当初は微妙だった。
しかし周囲の雑音を斎藤は自らの力で一蹴する。初回からエンジン全開。踏み込んでくる西武打線に内角球を有効に使い、凡打の山を築いた。生命線のストレートも最速145キロをマーク。終わってみれば、4安打1失点でプロ初の完投勝利を飾っていた。
ヒーローインタビューでは「いまは持っているではなく、背負っています。隙間だらけかもしれないですけど、ダルさんのいなくなった穴を少しずつ自分が埋められるように頑張っていきたいです」と声を弾ませた。
写真=榎本郁也