プレーで、言葉で選手たちを鼓舞する
4月6日の
巨人戦(神宮)では先制の適時二塁打など、今季初の3安打をマーク。四番・
青木宣親のバットが新生打線の象徴となっている。何より、2016年から8連敗中と天敵だった巨人・
菅野智之を攻略したことが大きかった。
同7日の同カードでは、七番・
広岡大志が5安打をマークするなど、下位打線も調子を上げて16安打15得点。「つなぐ四番」青木は、チーム全体につなぎの意識があることが好調の要因と語る。「場面、場面でやるべきことをやる。チーム全体にそういう意識がしっかりとある」。
この試合では初回に4点を先制しながら、先発の
石川雅規が3回に満塁被弾。意気消沈しかねない展開だったが、燕打線はファイティングポーズを崩さない。1点差の4回一死一、三塁の場面では、暴投で三走の
山田哲人が生還すると、一走の
バレンティンは相手のスキを見逃さず、一気に三塁へ。この好走塁が青木による勝ち越し犠飛を呼び込んだ。
劣勢の場面でも、ベンチでは青木の元気な声が響いている。「青木さんが自ら円陣を作ることがある」と明かしたのは広岡。簡単に負けを受け入れていた昨季の姿はない。青木がバットだけでなく、自らの言動でチームを鼓舞し、勝利に導く。昨季96敗の最下位チームが生まれ変わろうとしている。セ・リーグのダークホース的存在となりそうだ。
文=富田 庸 写真=小山真司