
延長10回裏、サヨナラ弾を放った松井
2002年の日本球界は「松井イヤー」だった。
セ・リーグでは
巨人の
松井秀喜、パ・リーグでは
西武の
松井稼頭央。日本ラストイヤーで50本塁打を放った松井秀もすごかったが、西武の松井稼も負けじとばかり36本塁打、33盗塁、打率.332とトリプルスリー。ともに光り輝いた1年となった。
西武・松井稼のハイライトとも言える試合が5月11日の
オリックス戦(西武ドーム)だった。この試合、2対2のまま延長戦に突入。10回裏、無死一塁で打席に入った松井稼はフルカウントから
今村文昭の外角スライダーをジャストミートすると、打球はあっと言う間に中堅左のスタンドに飛び込むサヨナラ弾となった。
ホームにかえった松井は「いやあ、自分でもびっくりです」と喜びに加え、驚きの表情。それはそうだ。前日の10日、松井稼は同カードで生まれて初めてというサヨナラ弾。「久しぶりに興奮しました」と声を上ずらせたが、まさか連夜とは……。2試合連続のサヨナラ本塁打は、プロ野球史上7人目の記録でもあった。
写真=BBM