今年はWBCの影響がないから?

5月20日の巨人戦(東京ドーム)で自身初の3本塁打を放った筒香
セ・リーグと福岡でホームランが乱れ飛んでいる。
5月24日現在の本数を2017年同試合消化時点と比較してみよう。
セは、
広島が42試合で39本から43本、巨人が43試合で28本から38本、
DeNAが41試合で26本から49本、
中日が44試合で27本から30本、
阪神が41試合で28本から22本、
ヤクルトが41試合で21本から34本。阪神以外はすべて増で巨人、DeNA、ヤクルトの伸びが大きい。
対してパは、
西武が42試合で41本から42本、
日本ハムが44試合で41本から43本、
ソフトバンクが43試合で41本から52本、
オリックスが45試合で29本から33本、
ロッテが42試合で20本から19本、
楽天が44試合で51本から34本。ソフトバンクの11本増があるが、ロッテは微減、不振の楽天は大幅減となっている。ただ、17年のソフトバンクは、この直後からホームランを増やし、交流戦前、50試合消化時点ではパ最多の55本塁打としている。
大幅に増えたセでは、うち巨人は
岡本和真の9本、
ゲレーロの7本と、いわば“新鮮力”の活躍があり、ヤクルトは4本だった
山田哲人の11本、6本だった
バレンティンの12本が大きい。
ここでは12球団最大23本もホームランが増えたDeNAの記録に注目する。個人ではヤクルトと似た傾向だが、
筒香嘉智が3本から12本、ロペスが7本から15本と急増している。
一つの要因として山田、筒香、さらにはバレンティンも出場した前年開幕前のWBCの影響が考えられる。この3人はWBCの疲労やボール、投手の球への違和感もあり、17年はスロースタートになっていた。
もう一つは巨人投手陣の被本塁打の多さだ。現在12球団最多の50本。うち個人でも同じくワーストで
野上亮磨、
田口麗斗が10本で並んでいる。DeNAは、この巨人戦で49本中17本を荒稼ぎし、うち東京ドームが12本となっている。
ただ、この記録、実はかなり“密集”していて、5月18日から20日の東京ドーム3連戦で9本、うち筒香が5本だった。この3連戦で巨人投手陣がDeNA打線、特に筒香に火をつけてしまったことは間違いない。巨人にとって幸いは、ここから交流戦に入ることだ。次回対戦は7月3日からの東京ドーム。対策を立てる時間は十分にある。逆に、交流戦をやや苦手としてきたDeNAが、パ相手でも勢いを持続できるかも楽しみだ。
対してパで前年比大幅増のソフトバンクは、被本塁打もリーグワーストの48本と打たれまくっている。これは今年だけではないが、ホームランテラス設置後、ヤフオクドームで、いかにホームランが乱れ飛んでいるかの証拠でもある。
写真=BBM