
勝利を決め、バンザイ。これも結構珍しい
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は5月31日だ。
1990年代最強のエース、
巨人・
斎藤雅樹。通算180勝96敗で200勝には届かなかったが、勝率が高く、113完投、40完封もマークしているタフなサイドハンドだった。
斎藤の登板が極端に少なかったのが、左打者が多く、足を使える選手が多かった
広島戦だ。本人は「別に苦手とは思わなかったんですが」と話していたが、確かに右サイドは対左に弱く、モーションが大きくなる傾向はある。
槙原寛己、
桑田真澄ら右ながら力のある上手投げ投手がいたこともあって首脳陣が避け、通算で58試合に登板し(全体では426試合)、結果は18勝15敗。広島市民球場に限れば、11勝11敗と五分だった。ちなみに92年と97年は広島戦の登板自体がない。
98年5月31日は、斎藤がプロ16年目で、生涯唯一となる広島市民球場での完封勝利を飾った日だ。さすがにうれしかったか、斎藤は勝利の瞬間、大きく手を上げて喜びを表現。のちのインタビューで現役時代印象に残っている試合の1つに、この日を挙げている。
写真=BBM