
ブルペンから駆け足でマウンドに向かう松坂
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月26日だ。
西武時代の
松坂大輔がなんとも複雑な表情になった勝利がある。
2001年6月26日の
ロッテ戦(千葉マリン)だ。
この試合、西武は初回に5点、2回に1点を奪い、6対0としたが、そこからなぜか投手リレーがあわただしくなり、先発の
星野智樹から
後藤光貴、
水尾嘉孝とスイッチ。そして5回二死二塁になって、この年、先発以外の起用がない松坂を投入した。
スコアは7対4だった。
要は
東尾修監督の温情である。この年、なかなか調子が上がらなかった松坂は6勝8敗。しかも、ここまで4連敗していた。
東尾監督にすれば、このまま最後まで投げさせて松坂に勝ちをつけ、復活のきっかけにさせたい、ということだったと思う。ただ、そのために起用したほかの3投手は少々複雑な心境だったのではないか。
結局、松坂は9回裏まで1安打1失点で切り抜け7勝目。
ただし、試合後の松坂は
「(二番手の)後藤さんの勝ちを消してしまって……」
と笑顔はなかった。
松坂はこの年、入団から3年連続最多勝も15勝15敗に終わった。
写真=BBM、