80年を超えるプロ野球の歴史は、それぞれの球団、それぞれの監督や選手たちが紡いできたものだ。1人1チームを原則に、名将、名選手たちが時空を超えて集結。オールタイムの“優勝チーム”を探してみよう。 強力打線にスキなし
2018年に創設40周年を迎えた埼玉西武ライオンズ。九州で一時代を築いたライオンズが1979年に埼玉は所沢にて西武として再出発、
広岡達朗監督となった82年に初優勝、日本一となり、早くも黄金時代へ突入した。
森祇晶監督となっても黄金時代は継続。97年からも2連覇、2000年代にもリーグ優勝3度、うち日本一2度など、歴史は長くないが、優勝経験は豊富だ。
ここでは、西武時代の40年間からベストオーダーを選んでみた。やはり80年代から90年代にかけての黄金時代を支えたメンバーが中心で、優勝8度、日本一6度の森監督が率いる。
【ベストオーダー】
監督・森祇晶
一(遊)
石毛宏典 二(左)
松井稼頭央 三(中)秋山幸二
四(一)清原和博
五(指)
デストラーデ 六(三)
中村剛也 七(右)
秋山翔吾 八(捕)
伊東勤 九(二)
辻発彦 投手
東尾修 リードオフマンは黄金時代をチームリーダーとして引っ張った石毛宏典だ。守備も本職の遊撃手。同じく一番・遊撃が多かったのが18年に復帰した松井稼頭央が二番に続き、守備は復帰後の左翼へ回った。
三番からは黄金時代の“AKD砲”こと中堅手の秋山幸二、一塁手の清原和博、指名打者のデストラーデに、現役で三塁手の中村剛也が初の本塁打王となった08年に多かった六番打者として続く。七番、八番の経験が多いのは黄金時代の司令塔だった伊東勤のみで、八番は伊東だけ。七番にも現役から、若手時代に経験がある秋山翔吾が入った。現役の一番・中堅手だが、守備位置も同姓の秋山幸二に譲り、やはり若手時代に多く守った右翼へ。
九番にも黄金時代の名二塁手で、現在の監督でもある辻発彦。歴代最強とも評されていた黄金時代の打線に現役の好打者たちも加わる形で、打線に切れ目がなく、しかも破壊力も最強クラス。守備位置のコンバートも松井と秋山翔吾が本職を離れた程度でダメージも少なそうだ。
中日でも活躍した外野手の
平野謙や
和田一浩らを皮切りに、控えも充実している。80年代のスティーブにテリー、90年代のマルティネス、00年代の
カブレラら助っ人勢も加われば、破壊力の上積みも可能。現役では内野に
浅村栄斗や
山川穂高、外野には
栗山巧ら好打者が並ぶ。
炭谷銀仁朗は伊東が君臨する司令塔の座を脅かす存在だ。機動力を強化したければ
高木大成や
大友進、守備を重視するなら
田辺徳雄や
小関竜也もいる。
MVP経験者の先発ローテーション

西武・東尾修
80年代にMVP2度、97年から監督として連覇にも導いた東尾修をエースとしたが、西武だけの通算最多勝では東尾監督時代のエースで97年MVPの
西口文也に軍配が上がる。黄金時代の左腕エースだった
工藤公康は現在の
ソフトバンク監督だが、同時期の右腕エースだった
渡辺久信は西武を日本一まで導いた投手出身で唯一の監督だ。
工藤の穴を埋めるのが現役左腕の
菊池雄星。MVP経験者では91年の
郭泰源、92年の
石井丈裕もいる。“平成の怪物”
松坂大輔や08年の日本一に貢献した
岸孝之は他チームの現役選手だが、リリーバーも90年代のV5を支えた
鹿取義隆、
潮崎哲也、
杉山賢人の“サンフレッチェ”と充実。投手陣にも不安はない。
18年は好調を維持している西武。ここでも黄金時代の再現となるか。
写真=BBM