第89回都市対抗野球大会は7月13日から12日間、東京ドームで行われる。1回戦から決勝まで31試合。4ブロックに分けて、出場チームの紹介と大会の展望をしていく。 【Aブロック】

優勝チームには最高の栄誉である「黒獅子旗」が授与される(写真は昨年のNTT東日本・越前一樹主将)
前回優勝のNTT東日本は開幕試合で東邦ガスと対戦する。NTT東日本は予選免除(推薦出場)に加えて、補強なしという現実に直面する。とはいえ“宿命”として準備を進め、5月のJABA北海道大会兼東北大会を制し、2年目のエース右腕・
堀誠(立正大)の投球に注目が集まる。
ホンダ鈴鹿は第1代表決定戦から4連敗の後、最後の第6代表で3年連続出場。左腕・
平尾奎太(同大)と
瀧中瞭太(龍谷大)の2本柱を擁す。1回戦の相手は、昨年の2回戦で敗退した三菱日立パワーシステムズ。昨年の4強は地力があり、統合2年目で頂点を狙う。
就任1年目の橋口博一監督(慶大)が率いる大阪ガスは2015年の準優勝チーム。初戦では2年ぶり出場の信越硬式野球クラブと顔を合わせる。4年連続出場で悲願の大会初勝利を目指す西部ガスは就任1年目の香田誉士史(駒大苫小牧高元監督、駒大)が率い、新日鐵住金かずさマジックと初戦で激突する。
【Bブロック】
今大会唯一の初出場であるトヨタ自動車東日本は過去7度の都市対抗優勝実績のある東芝の胸を借りる。トヨタ自動車東日本は、コーチ兼任で
大谷翔平(エンゼルス)の兄・龍太(前沢高)が在籍。東芝は就任1年目の平馬淳監督(法大)のさい配にも注目だ。
JR東日本と西濃運輸は実力チーム同士で、1回戦屈指の好カード。JR東日本は入社5年目の右腕・
板東湧梧(鳴門高)と大卒2年目の外野手・
拜崎諒(関東学院大)が機能すれば、7年ぶりの頂点も見える。
また、新日鐵住金鹿島と日本新薬の一戦も1点をめぐる好試合が期待。3年連続出場のJR西日本と4年連続でクラブ登録2年目のJR北海道硬式野球クラブによる“同社対決”は、注目を集めるはずだ。
【Cブロック】
昨年、NTT東日本との決勝で惜敗した日本通運は3年連続出場のホンダ熊本と顔を合わせる。日本通運はプロ注目右腕・
生田目翼(流通経大)に、2年連続で最多打点の関本憲太郎(立正大)と投打の柱がいるのは心強い。さらに、今季から古巣へ復帰したコーチ兼任・
武田久(元
日本ハム、駒大)の投球にも注目だ。
今大会最長ブランクである9年ぶり出場の鷺宮製作所は10年ぶりのドーム1勝を目指して、1回戦で中国第1代表の伯和ビクトリーズと対戦する。
激戦区・近畿で第1代表の三菱重工神戸・高砂はと粘り強さが身上の七十七銀行との顔合わせは、1点をめぐる展開が必至だ。王子とスバルも実力伯仲の強豪同士の対戦であり、1球たりとも目が離せない。
【Dブロック】
昨年11月の日本選手権を制したトヨタ自動車は東京ガスと対戦するが、こちらも1回戦屈指の好カードと言える。
東海第1代表のトヨタ自動車はベテラン右腕・佐竹功年(早大)が健在だ。高卒3年目左腕・
富山凌雅(九州国際大付高)と若手も育つ投手層の厚さは32チームNo.1。捕手・
細山田武史(元
DeNAほか、早大)、
北村祥治(亜大)と仕事人が控え、2年ぶりの頂点を見据える。
悲願の初Vを目指す東京ガスもエース・
臼井浩(中央学院大)、四番・
笹川晃平(東洋大)と投打の軸が看板だ。
JR東海とパナソニックも見逃せない一戦だ。今季からJR東海を率いる久保恭久監督(中京大)はかつて日産自動車、パナソニックを指揮し、古巣との対戦が実現。パナソニックは部長兼任の北口正光監督(亜大)が陣頭指揮。ドラフト上位候補の右腕・
吉川峻平(関大)を軸とし、創業100周年を初優勝で飾りたい。
JR四国とホンダは昨年の1回戦と同じ顔合わせ。ホンダは入社2年目の
齋藤友貴哉(桐蔭横浜大)が心身ともに充実しており、9年ぶり3度目の頂点へ士気は高まる。一方、JR四国は昨年、0対10と7回
コールド敗退を喫しており、今回は雪辱の舞台となる。
就任5年目・
初芝清監督(元
ロッテ、二松学舎大付高)が率いるセガサミーは、1965年以来の優勝を目指すNTT西日本と1回戦で激突する。
写真=BBM