
地蔵設置は右翼席後方、一塁ゲート前だった。現在はない
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月24日だ。
2002年
西武の独走Vを支えたのが、この男のバットだった。
今回は、そのバットに火がついたゲームをピックアップする。
7月24日、
日本ハム戦(東京ドーム)だった。西武打線は日本ハムの先発左腕・
正田樹に手こずり初回からゼロ行進が続く。
均衡を破ったのが来日2年目の四番・
カブレラだ。圧巻のパワーで超特大弾を放ち、1年目から49本塁打を放った怪物バッターだが、この年、春先はいまひとつ元気がなかった。
ジワジワと打率を上げてはきたが、それでも23日時点では.277。ホームランは25本ながら7月9日を最後に快音は聞かれていなかった。
それでも6回二死満塁から初球真ん中高めのカーブをとらえ、左翼席中段に来日初の満塁弾。
「バットの先っぽだったけど、勝利に貢献できてうれしいよ」
とカブレラ。さらに8回表には27号ソロ。試合も9対3と勝利した。
これで勢いがつき、カブレラは22日からの連続試合安打を20まで伸ばし、最終的には打率.336、本塁打は日本タイ(当時)の55本、さらに115打点をマークし、リーグ優勝に貢献。本塁打王、MVPに輝いている。
その後、7月27日の話になるが、西武ドームにカブレラ地蔵が設置された。右翼席後方、一塁側ゲート前に設置されたもので、隣でポーズを取ったカブレラは、
「ホームランを当てて壊さないように力を抜いて打つよ」
とご満悦だった。
なお、この地蔵はカブレラが
オリックスに移籍した2008年に撤去されている。
写真=BBM