
これは翌9日の試合。今度は決勝2ランでまたもヒーローに
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は8月8日だ。
今回、振り返るのは
巨人の現役名バイプレーヤーの名場面だ。
いつの間にかホームランが16本になっていた。
小笠原道大には及ばないが、四番の
ラミレスよりも、30発以上を2度マークしている
阿部慎之助よりも多いのである。
亀井義行の急激なロングヒッターへの変貌は驚くばかりだ。
その中身がまたすごい。16本中3本がサヨナラホームラン。前年までセ・リーグの打者で、1シーズン3本以上のサヨナラ本塁打を放っているのは7人。その中には
王貞治(70年、3本)の名もある。王は巨人入団12年目のことだったが、亀井は5年目の達成。しかも、規定打席数に1度も達したことのない打者だ。
「(王氏に)名前を並べたらいかんでしょう」
照れるというより恐縮しきりの亀井だったが、16号、つまり、8月8日の対
ヤクルト戦(東京ドーム)の延長10回裏、先頭打者で押本から打った今季3本目のサヨナラ本塁打(2対1)を見れば、「これは本物だ」と納得させられた。
2球目の外角フォーク。タイミングをはずされず、うまくすくう打者はいるだろう。しかし、この打球をバックスクリーンまで運べる打者はめったにいない。まさに王並みの当たりだった。
「こんないいところで打てて……。ちょっと怖いくらい」と亀井。
それも実感だろう。
2本目のサヨナラ本塁打を放った4日の対
広島戦(旭川)を思い出そう。
9回裏一死二塁で
永川勝浩から起死回生の同点本塁打で試合を振り出しに戻し、延長11回裏一死一塁で今度はサヨナラ2ラン(6対4)。亀井は巨人史上初の9回同点、延長でサヨナラの2本塁打を放った打者となった。
さらに4月25日の対
中日戦(東京ドーム)では9回裏無死一、二塁で、あの
岩瀬仁紀から代打逆転サヨナラ3ラン(5対4)。
まさに恐怖の五番打者だった。