「応援は励みになる」

U-18アジア選手権(宮崎)。甲子園準優勝投手の金足農・吉田は韓国との一次ラウンドで先発。試合前には、多くの観衆が長蛇の列を作っていた
第12回BFA U18アジア野球選手権大会(宮崎)で日本は5日、韓国と対戦。開幕2連勝ですでにスー
パーラウンドへの進出を決めており、A組1位をかけた直接対決である。
「応援は励みになります」
金足農・
吉田輝星は準優勝を遂げた甲子園を通じて、ひたむきな投球により、観衆を味方につけてきた。守りからリズムを作る。その言葉をマウンドで実践してきたのだ。
宮崎の野球熱は高い。2月はプロ野球が春季キャンプを張り、ファンの目も肥えている。8月28日の宮崎県高校選抜との壮行試合は1万6000人(無料)の観衆が集まった。この日の「日韓戦」は有料試合であったが、試合開始1時間前からKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎の駐車場はほぼ満車である。
当日券を求めた長蛇の列は約200メートルにまで達していた。ネット裏はほぼ満員で、内野も8割方埋まった。ファンのターゲットの一人は、吉田輝星にほからならない。28日の壮行試合でも、救援登板した9回は最大の盛り上がり。
17時54分。「先発投手・吉田」が
コールされると、大歓声が起きている。NPBスカウトが注目する投球に加え、抜群の集客力。人気商売のプロ野球では、これ以上の“逸材”はいない。
同57分に両国の国歌が流れ、緊張感が高まってきた。18時3分プレーボール。1回表、マウンドに上がった吉田が、ついに侍ジャパンデビュー。初回にいきなり149キロを計測し、早くも宮崎の観衆を味方につけていた。全世代を通じ、過去には激闘を見せてきた日韓戦、最後の最後まで何が起こるか分からない。
文=岡本朋祐 写真=BBM