早くも約3カ月後に2019年のペナントレースが始まる。各球団、補強もほぼ完了したが、頂点に立つ陣容をそろえることができたか。各球団の優勝へのシナリオは――。 
再建を託された巨人の原辰徳監督。3度目の就任でどのような野球を見せてくれるか
球団ワーストタイとなる4年連続のV逸で、
高橋由伸監督から原辰徳監督へとチーム再建のバトンが託され、コーチングスタッフの刷新とともに、このオフは大型補強を敢行した。
特に2年連続セ・リーグMVPの
丸佳浩の補強は、打っては三番、守っては中堅の大きな柱ができたことを意味しており、一番への固定が濃厚な
坂本勇人、若き四番・
岡本和真とともにリーグでも屈指となった上位打線がチームの浮沈を左右することとなる。
この3人以外ではFA移籍から2年、ケガなどもあり期待を裏切ってきた
陽岱鋼に注目。確実性には欠けるが、思い切りの良さは魅力なだけに、上位打線の後を自由に打たせるのが面白そう。丸の獲得で尻に火がついており、力を発揮しそうな状況だが、果たしてこれが吉と出るか凶と出るか。
いずれにしろ外野は激戦区。この2人以外にも
長野久義、
亀井善行のベテラン組に、19年にデビューが期待される18年のイースタン・リーグ最多安打の
松原聖弥など戦力は充実している。新指揮官のチョイスに注目だ。
一方、投手陣ではエースの
菅野智之、先発専念の
山口俊に復活を誓う
田口麗斗と、実績ある3人がローテーションの柱。
C.C.メルセデスにT.
ヤングマンの2人には外国人枠の争いが待つが、このほかにも18年は6勝を挙げた
今村信貴、移籍2年目の
野上亮磨など頭数はそろう。日本復帰の
岩隈久志は、一昨年の故障からどこまで状態を上げているのか未知数ではあるものの、日米通算170勝の実績は十分で、問題がなければ大きな戦力だ。
不安は中継ぎ以降。まず、クローザー候補の新外国人R.
クックが日本に適応できるか。また、
中川皓太、
池田駿、
宮國椋丞、
田原誠次らには、18年限りでユニフォームを脱いだ
山口鉄也や
西村健太朗が担ってきた役割が期待される。リリーフ陣の固定化と安定が、ディフェンス面のカギを握ることは確かだ。
写真=BBM