
炭谷の加入で激化する正捕手争い。小林はスタメンを勝ち取ることができるか
原辰徳新監督の下、5年ぶりの優勝が至上命令の
巨人。オフにはFAで
広島の
丸佳浩を獲得するなど大補強を進め高い本気度を示している。だが、捕手に
小林誠司がいながら
西武からFAで獲得した
炭谷銀仁朗に関しては賛否両論が渦巻いた。ただ、2007年から10年まで原辰徳監督の下で巨人ヘッドコーチを務めた
伊原春樹氏は、この補強を高く評価している。
「炭谷は名門の平安高(現・龍谷大平安高)出身だから甘えはない。それに昨年、
森友哉がマスクを多くかぶり始めたけど、炭谷も負けじと打撃力を向上させ、打率も上げてきた。そういう根性がある。やっぱり小林のハートに火をつけなきゃダメだというような形で、これはいい補強だったんじゃないかと思う」
今季から
阿部慎之助も捕手復帰。どのように捕手起用を原監督が頭に描いているか。伊原氏はこの点が気になっていたようで、取材で巨人キャンプを訪れた際、指揮官に聞いてみたという。
「原監督はレギュラーをつくると言っていたね。この投手にはこの捕手、あの投手にはあの捕手、と併用制をしたくない、と。かつて阿部がケガをしたとき、
加藤健、
鶴岡一成、
実松一成らに『組む投手を決めるから、それでやっていこう』と試してみたけど、なかなか一体感がうまれなかった。だから、捕手に関してはレギュラーをしっかり作りたいそうだ」
それでは正捕手の本命は?
「『僕の理想のなかでは7月、8月ぐらいに小林が炭谷を抜いてくれるようなチームになったら強いと思います』と言っていたよ」
今後、オープン戦が本格化していくが、開幕戦でスタメンマスクをかぶるのは誰になるのか。巨人の正捕手争いから目が離せない。
文=小林光男 写真=小山真司