
アリゾナキャンプでのバネさん。その豊富な経験を若手捕手やチームに伝えていく役目も担っている
「ファイターズは若い選手が多いんですけど、みんな野球に対しての意識がすごく高い。びっくりしましたね。僕も顔はかなり老けているんですけど、まだ全然若いので。ほかのキャッチャーに負けないようにこれからも頑張っていきたいです」
これは2017年オフの契約更改での
日本ハム・
黒羽根利規の言葉だ。誰からも好かれる性格と軽妙な話術で報道陣からの人気も高く、チーム内での愛称は「バネさん」。球場内外でもその明るいキャラクターで、バネさんの周囲に自然と笑顔の輪が広がっている場面を何度も見た。まだ移籍してきて2年足らずだが、その存在は決して目立ちはしないが、チーム内でも大きなものになりつつある。
DeNAから17年シーズン途中から加わって19試合に出場。昨年は若手捕手の台頭もあって一軍出場は2試合に終わったが、首脳陣からの信頼は厚い。今年の一次キャンプもアリゾナ組に入り、現地ではベテランの
鶴岡慎也とともに積極的に声を出し、若い捕手陣を背中で引っ張っていた。さらに今シーズンは正捕手候補だった
清水優心が腰の手術の影響で開幕には間に合わず、鶴岡、
石川亮らとともに、プロキャリア14年目を迎えて経験値のあるバネさんにもチャンスはある。
2月24日からファーム合流となったが、長いシーズンの中で必ずその力は必要になるときが来る。縁の下の力持ちという言葉がぴったりであり、若手捕手たちの良き兄貴分でもあるバネさん。2019年シーズンは、もっとその存在にスポットライトが当たってほしいと思う。
写真=BBM