新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
今回からシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。
この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。
巨人3連敗から4連勝で8年ぶり日本一

胴上げされる巨人・藤田監督
1989年(平成元年)順位表
セ(1巨人2
広島3
中日4
ヤクルト5
阪神6大洋)
パ(1近鉄2
オリックス3
西武4ダイエー5
日本ハム6
ロッテ)
※日本一は巨人
平成元年、1989年(以下、基本的に西暦表記)は、セ・リーグでは
藤田元司監督が復帰した巨人が優勝。11連続完投勝利もあって20勝でブレークした若きエース・
斎藤雅樹と、97試合目まで打率4割台をキープしていた
クロマティを軸に圧倒的な強さを見せた。
パ・リーグは前年の「10.19」の雪辱を果たし、近鉄が勝利。本塁打王・
ブライアントを軸に打ちまくり、4連覇を続けていた西武、さらにオリックスとの激闘に競り勝った。10月12日の西武戦ダブルヘッダー、ブライアントの4打数連続弾は圧巻だった。
日本シリーズでは、そのイケイケぶりで墓穴を掘る。第1戦から3連勝で王手をかけながら、その試合の勝利投手、
加藤哲郎の「ロッテ(パの最下位)より弱い」の暴言に巨人ナインが奮起。そこから4連敗で日本一を逃している。
MVPは巨人・斎藤雅樹

非常にタフな男だった
本誌選定MVP
斎藤雅樹(巨人)
圧巻の11試合連続完投勝ち!
サイド転向を指示した藤田元司監督復帰で完全開花。5月10日からの11試合連続完投勝利は見事だった。「ミスター完投」の異名も。
ベストナイン
[先発投手]
斎藤雅樹(巨人)
30試合20勝7敗0S、防御率1.62
[抑え投手]
津田恒実(広島)
51試合12勝5敗28S、防御率1.63
150キロ超の快速球で最優秀救援投手に輝いた炎のストッパー
[捕手]
中尾孝義(巨人)
87試合54安打5本塁打27打点6盗塁、打率.228
中日から移籍1年目。強気のリードで投手陣を引っ張った
[一塁手]
ブーマー(オリックス)
130試合165安打40本塁打124打点2盗塁、打率.322
前年の故障から復調。首位打者と打点王を獲得した
[二塁手]
正田耕三(広島)
128試合161安打1本塁打25打点34盗塁、打率.323
3年連続首位打者はならずも打率3位。初の盗塁王に輝く
[三塁手]
落合博満(中日)
130試合153安打40本塁打116打点4盗塁、打率.309
中日移籍後、初のタイトルとなる打点王。ホームランも40本に
[遊撃手]
宇野勝(中日)
119試合133安打25本塁打68打点2盗塁、打率.304
長打力に確実性が加わり、プロ13年目にして打率3割台
[外野手]
クロマティ(巨人)
124試合166安打15本塁打72打点7盗塁、打率.378
開幕前には引退宣言もあったが、シーズン半ばまで4割台キープ
秋山幸二(西武)
130試合144安打31本塁打99打点31盗塁、打率.301
30盗塁を初めてクリアし、トリプル3を達成
ブライアント(近鉄)
129試合140安打49本塁打121打点3盗塁、打率.283
初のホームラン王を獲得。三振も多かったが優勝の最大の功労者
[指名打者]
門田博光(オリックス)
116試合124安打33本塁打93打点0盗塁、打率.305
ホークスの九州移転後、オリックス移籍1年目。コンスタントに打った
写真=BBM