
4月16日の広島戦の2回、黒田博樹から左翼ポール際にたたき込む6試合連続の第8号を放った阿部
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2004年4月16日だ。
「最高です!」
いつもの笑顔で、おなじみのセリフを叫ぶ。4月9日の
ヤクルト戦(東京ドーム)から16日の広島戦(広島)まで、
巨人の
阿部慎之助がなんと6戦連続8本のホームランを放った。日本記録である巨人・
王貞治(1972年)、
阪神・バース(86年)の7試合連続には届かなかったが、6試合連続は史上2位タイ(ほか8人)。
野村克也(南海)の5試合を抜いて捕手の最高記録でもある。
「どうしちゃったんでしょうね。自分でも信じられません。本塁打を狙って大振りしているわけではないんですけど……」
この快挙に阿部自身が驚きの表情を見せれば、
堀内恒夫監督も「ほんとすごいな。ちょっと異常なくらいだね」と舌を巻く。
プロ4年目となったこの年、開幕前から目標として「30本塁打」を掲げていた(自己最高は02年の18本)。「八番打者に打たれたら相手のショックも大きいと思うんですよ」と、その理由を語っていたが、手ごたえを感じていたからこその言葉でもあったはずだ。
阿部は結局、この年に33本塁打をマークしている。
写真=BBM