セガサミー応援団「ルーターズ」のメンバー
昨年の都市対抗野球大会準決勝。激戦の近畿地区から第一代表として出場していた三菱重工神戸・高砂に挑んだセガサミーは最終回で逆転のチャンスを得たが、惜しくも1点差で敗退した。二死二、三塁まで攻め立てた最終回の攻撃では、一塁側スタンドは誰もが逆転勝利を信じて祈った。この約13分間の応援を休むことなく先導していたのが、セガサミー応援団「ルーターズ」だ。
試合終了後のインタビューでは、この日スタメンマスクをかぶった
喜多亮太(現・石川ミリオンスターズ)がルーターズ率いるスタンドの応援を「今大会一番の思い出」と振り返り、初の4強入りと大躍進の大会での大きな声援に感謝の言葉を述べていた。
都市対抗野球大会の目玉のひとつとなるのが応援団の存在だ。大学生や外部の応援団に協力をしてもらう企業もあるが、ルーターズはセガサミーグループの社員も所属し、就業後に社内の会議室などに集合して2時間程度の練習を週1〜2日行っている。
取材日(5月15日)の練習は、19時から21時まで。東京予選前、最後の通し稽古ということで、本番を想定し1回表から試合終了までの応援をすべて行っていた。音楽も掛け声も本番さながらだ。
本間キャプテンのリストバンドには「燦」という文字が刺繍されている
ルーターズのチアをまとめる本間美穂キャプテンは、他社でチアをしていたが、セガサミーの応援にあこがれて転職をしたという面白い経歴の持ち主だ。本間キャプテンが手首につけている黒色のリストバンドには、黄色で「燦」という文字が刺繍されている。
「毎年、応援団全員から漢字1文字を募集し、一番、投票数の多かった文字をチームの1年間のスローガンとしています。今年は『燦』という言葉のとおり、応援団も華やかに、鮮やかに。応援を通して選手たちを盛り上げ、昨年よりも上を目指したい」と思いを語った。
5月30日に行われた都市対抗東京二次予選では、東京ガスを相手に9回表、4対3の逆転劇を見せた。ここぞという場面で動じない、まさにセガサミーらしい勝ち方で勢いに乗り、6月6日に神宮球場で行われる第四代表決定トーナメントに挑む。
今年もチーム、社員、観客すべてが一致団結をしたあの瞬間を、再び東京ドームで体感することを期待したい。
文・写真=豊島若菜