2017年シーズン途中に日本ハムからトレード移籍。DeNAではリリーフに専念し、ブルペンには欠かせない戦力となっている
まさに獅子奮迅の働きだった。交流戦18試合中、リリーフで12試合に登板し、3勝1敗7ホールド、防御率2.53。6月22日の
楽天戦(横浜)では、前日までの5連投を考慮され、20日にリリーフで4イニングを投げた
国吉佑樹とともに休養日を与えられるほどのフル回転で、5年ぶりの交流戦勝ち越し(10勝7敗1分)に貢献した。
印象深かったのが19日の日本ハム戦(横浜)だ。同点の9回にマウンドに上がり四球と安打で無死一、二塁とすると、
ラミレス監督から直接発破をかけられた。そこから遊飛、空振三振、空振三振でピンチを脱出。一死で迎えた六番・
渡邉諒は160キロの直球でねじ伏せた。
交流戦終了後、ラミレス監督が打率3割をマークした
神里和毅と並んで、投打のMVPに「多くの試合で投げてくれた。ブルペンに彼がいたのが非常に大きかった」とエスコバーの名前を挙げたのも当然と言えた。本人も「自分では“このイニングが役割だ”というのがないタイプ。どんな状況でもマウンドに上がることができるし、それが強みだと思っている」と力強く語る。
試合前にはズシリと重い約2キロのトレーニングボールを用いて、ウォーミングアップ。ブルペンでは同僚
パットンが用意するハイチュウを頬張り、口癖は
山崎康晃に教えてもらった「オトコハ ダマッテ ナゲルダケ」。
チームメートからは「エスキー」と呼ばれ愛される剛腕左腕の存在は、とてつもなく大きい。
文=滝川和臣 写真=井田新輔