
4本目のホームランを打った古田は驚きの表情でダイヤモンドを一周
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2003年6月28日だ。
いくら狭い
広島市民球場とはいえ、大変な記録が達成された。この日、行われた広島戦、
ヤクルトの
古田敦也は2回表の第1打席、先発の
長谷川昌幸から右越えに10号ソロホームラン。4回表の第2打席は四球だったが、5回表の第3打席は
横山竜士から左中間にソロ。さらに6回表の第4打席では同じく横山から左越えに3ラン。早くも6回までに3打数連続本塁打。日本タイの1試合4打数連続本塁打への期待が高まった。
セ・リーグでは
王貞治ただ一人が持っていた大記録。8回表の打席でベンチの「狙ってください!」の大合唱にもかかわらず、古田は「世界の王さんに並んだり、超えたりしていいんですかねえ」と
若松勉監督に聞いた。
その打席、マウンドの
西川慎一は2ボール1ストライクからスライダーを真ん中に。これなら狙うも狙わないもない。古田は打者の本能でバットを振り抜いた。打球は左翼ポール際に吸い込まれる日本タイの4打数連続本塁打となった。
「まさか打てるとは思わなかった」と驚く古田。試合後、4本目のボールを拾った少年がそれを古田に渡そうとしたが、「君のものだよ」と手渡し、さらに記念撮影。このあたりは、いかにも古田らしかった。
写真=BBM