
試合前にはイチロー[右]に激励された城島
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1995年7月6日だ。
5月31日の
オリックス戦(福岡ドーム)、代打でプロ初出場していたダイエーのドラフト1位ルーキー・
城島健司。凡打に倒れ結局、初安打は生まれないまま6月4日にファーム落ちしていたが7月4日、一軍へ再登録された。
2日に捕手の
吉永幸一郎が練習で左肩を強打し、全治3カ月の重傷を負っていたが、
王貞治監督は「吉永のケガとは関係なく一軍に上げようと思っていたんだ」ときっぱり。6月28日にはウエスタン・
中日戦で“プロ初本塁打”をかっ飛ばしていた。「とにかく飛ばす力は抜群なんだから」と王監督は期待をかけた。
3日には福岡ドームで一軍に合流した城島は、若手と一緒に練習したがサク越えを連発、「10本くらいは入ったでしょう。打撃は上向きです」と自信を持っての一軍再登録だった。
しかし、再登録後の初出場は守備で、だった。6日のオリックス戦(福岡ドーム)、9回に初マスク。打席に立ったのは前年、210安打を放って大ブレークを果たしたイチローだった。
「イチローさんには、打たなかったら三振に取りますよと言ったんです」と度胸満点の城島。その言葉どおり、見事にイチローを三振に仕留めた。
「城島は堂々としていたね」と王監督も称賛。ちなみに一軍初安打は3日後、9日の
ロッテ戦(千葉マリン)でヒルマンから中前打を放って生まれた。
写真=BBM