
ファームで着実に成長した姿を見せている万波。一軍の舞台で輝く日はそう遠くなさそうだ
日本ハムの一軍は
ソフトバンクと熾烈な首位争いを演じているが、ファームにシーズン最終盤での「秘密兵器」になりそうな、急成長を遂げている男がいる。
万波中正、19歳。
吉田輝星、
柿木蓮、
野村佑希らとともに昨年秋のドラフトで入団したルーキーだ。その類まれな身体能力で高校時代(横浜高)には40本塁打を放ち、まだ粗削りではあるが、スケール感のある選手として期待を集めている。
ここまで一軍昇格こそないが、ファームでにわかに注目を集めている。このコラムを書いている時点でホームランはチームトップの8本塁打。イースタン開幕当初は下位を打つことが多かったが、最近はその自慢のパンチ力でクリーンアップを打つことも増えてきた。その一方で打率は2割台前半と苦しんでいるが、高卒1年目としては十分及第点を与えられる結果を残している。
持ち前の明るいキャラクターですでにチーム内のムードメーカーでもあり、同時に周囲も驚く練習の虫でもある。1月の新人合同自主トレでもあまりのハイペースの練習量に周囲からストップがかかったほど。その地道な努力の積み重ねが現在の結果に着実につながりつつあり、周囲の視線を集めている。
そんな万波に2月の沖縄・国頭村での春季キャンプで万波にインタビューをした際に「近未来の自分の夢は何ですか?」と聞いた。返ってきた言葉が「2023年に完成すファイターズの新球場、そこで初のホームランを打つのが僕の密かな野望なんです」と満面の笑顔で白い歯を見せた。
これからどんな成長曲線を描いていくのか。伸びしろしかない19歳の未来に注目していきたい。
写真=BBM