8月4日の巨人戦(横浜)では1点リードの6回に登板した武藤。1イニングを13球、三者凡退に抑える完ぺきなリリーフを見せた
8月2日からの巨人戦(横浜)で3タテに成功し、首位・巨人とのゲーム差を0.5差とした
ラミレス・
DeNA。オールスター明けの後半戦を14勝4敗1分と突っ走り、チームは今、勢いに乗る。しかし、ラミレス監督は「でも今は2位。1日1日をしっかり戦いたい」と冷静に語る。それもそのはず、背後には
広島が1.5差でピタリと続き、6日からは、その3位・広島との3連戦が控えているからだ。
DeNAが広島、そして巨人との三つ巴の争いを勝っていくために、不安要素を挙げるなら中継ぎ投手陣だろう。今季、先発陣の平均投球回数は5.29回。つまり、リリーフ陣は6回からマウンドに上がらなければならない状況だ。クローザー・
山崎康晃が安定感しているだけに、9回までの3イニングをどうつないでいくのかが大きなテーマとなる。
指揮官は巨人3タテの要因を「リリーフ陣の踏ん張りが大きい」としながらも、3日の試合では
パットンが“冷蔵庫パンチ”で自ら戦線を離脱。
石田健大は先発に回っており、期待された新入団のソリスは前評判ほどの“瞬発力”を感じさせない。現時点の勝ちパターンを担うエスコバー、
三嶋一輝、
国吉佑樹の負担は大きく、不安は尽きない。そうした苦しい状況で、陰ながらブルペンを支える筆頭が
武藤祐太だ。
中日を自由契約となり入団したDeNA2年目の武藤は、ここまでリリーフで15試合に登板し、0勝1敗3H、防御率1.33と奮闘する。4日の巨人戦(横浜)では、先発・
今永昇太に続く2番手でマウンドに上がると、巨人打線を3人で料理し、勝利への流れをつくった。
その他に、2年目の
齋藤俊介と
櫻井周斗の存在感も日に日に増すばかり。ともに物怖じしない投球で一軍のマウンドで経験を積んでいる。夏場を迎え、ブルペンにも疲労がたまるこの状況は、若手にとっては絶好のチャンスでもある。ファームから台頭してくる新しい戦力がチームを頂点へと押し上げる。
文=滝川和臣 写真=大賀章好