8月26日から4日間、メットライフドームで行われる第44回全日本クラブ野球選手権大会。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は田中優美さんです。 チームワークでカバー
2012年まで
阪神タイガースでプレーしていた野原祐也監督率いる、OBC高島は10年ぶりに出場を果たした全日本クラブ選手権にて4強進出を決めました。
監督就任3年目の野原監督はチームを“雑草集団”と表現し、「私たちのチームではスカウトやこちらから入部をお願いすることもないです。入部を希望してくれた選手だけでやっています。過酷な環境なので。その分、やる気の強い選手がそろっています」と話します。
スカウトをしない分、チームの穴となる部分が出てしまうのはチームワークでカバー。野手であれば全員が2、3個所のポジションを守れるようにしています。今大会の初戦と2回戦で先発している山下聖也投手に至っては、京都学園大の4年間は野手をやっており、社会人になってから投手に転向しました。
そのきっかけは、野原監督が“肩が良い”と見込んだ山下投手にブルペンで投球を指示し、そのときに球速142キロ出したこと。加えてチームに左投手が不足していたという状況も重なり、転向となったそうです。
山下投手は北嵯峨高時代に投手をしていた時期もあるものの、ブランクが長いため、新たに投手として必要な筋肉やスタミナを社会人野球選手になっての3年間で作り上げました。その成果が今大会で発揮され、初戦106球、中1日で登板した2戦目も119球の力投でチームを勝利に導きました。試合後には「今は投手に転向して良かったと思っています。社会人になってから習得した球種もあり、変化球でカウントを整えるのが武器です」と話しましたが、OBC高島の強さの一端を垣間見ました。
ナインが一生懸命に練習している姿を日々目の当たりにしている野原監督は“選手をどうにかして成長させてあげたい”という思いから、監督と選手が2人きりで話す時間をたくさん設け、選手をしっかり見ることを心掛けているそうです。その愛情とコミュニケーションなどが選手各々の能力をさらに引き出しており、結果的にチームの戦力向上につながっているのだろうと感じました。
9月1日からスタートする私たち日本野球連盟公式サポーターがナビゲートするラジオ番「JABAガールチャンネル」でも社会人野球の取材秘話や選手・チームの生の声をお届けします。番組はJFNパークというアプリで視聴できますので、ぜひお聴きください!
公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A
PROFILE

左から豊島わかなさん、田中優美さん、若菜奈津美さん/写真=BBM
とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。
たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。
わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。