厳しいプロの世界では、結果を残すことができなければ戦力外になってしまう。たとえドラフトで上位指名された選手であってもそれは同じ。中には入団からたった数年で退団せざるを得なくなった選手も少なくない。では、今から5年前、2014年のドラフトで上位指名された選手は現在どのくらい球界に残っているのだろうか?
3年目に非情な通告を受けるケースが目立つ
2014年度のドラフトで1位~3位指名された選手は全部で36人いるが、彼らの2019年シーズンの在籍状況を以下にまとめてみた。
※戦力外情報は2019年10月13日時点のもの ●巨人
1位指名 岡本和真……在籍
2位指名
戸根千明……在籍
3位指名
高木勇人……在籍(2017年オフに
西武へ移籍し2019年オフに戦力外)
●
DeNA 1位指名
山崎康晃……在籍
2位指名
石田健大……在籍
3位指名
倉本寿彦……在籍
●
阪神 1位指名
横山雄哉……在籍(2018年オフに育成選手に契約変更)
2位指名
石崎剛……在籍(2019年途中に
ロッテ移籍)
3位指名
江越大賀……在籍
●
広島 1位指名
野間峻祥……在籍
2位指名
薮田和樹……在籍
3位指名
塹江敦哉……在籍
●
中日 1位指名
野村亮介……2017年オフに引退
2位指名
浜田智博……在籍(2016年オフに育成選手に契約変更)
3位指名
友永翔太……在籍(2019年オフに戦力外)
●
ヤクルト 1位指名
竹下真吾……2017年オフに引退
2位指名
風張蓮……在籍
3位指名
山川晃司……在籍
●西武
1位指名 高橋光成……在籍
2位指名
佐野泰雄……在籍
3位指名
外崎修汰……在籍
●
ソフトバンク 1位指名
松本裕樹……在籍
2位指名
栗原陵矢……在籍
3位指名
古澤勝吾……在籍(2018年オフに育成選手に契約変更)
●
楽天 1位指名
安樂智大……在籍
2位指名
小野郁……在籍
3位指名
福田将儀……2017年オフに引退
●ロッテ
1位指名
中村奨吾……在籍
2位指名
田中英祐……2017年オフに引退
3位指名
岩下大輝 ……在籍
●
日本ハム 1位指名
有原航平……在籍
2位指名
清水優心……在籍
3位指名
淺間大基……在籍
●
オリックス 1位指名
山崎福也……在籍
2位指名
宗佑磨……在籍
3位指名
佐野皓大……在籍
36人中……
・在籍32人(このうち育成選手3人)
・引退、退団済み4人
2014年のドラフトで上位指名されて入団した選手のうち、5年目を迎えた今年も在籍していたのは育成選手も含め32人。5年目を迎えることなく引退した選手は4人という結果となった。残念ながら今オフに2人が戦力外となったが、トライアウトなどまだチャンスは残っている。
すでに引退した選手を見ると、全員が2017年のオフに引退となっている。つまり、3年目までは様子を見るが、そこでも厳しいようだと非情の通告が行われる可能性が高いということだ。竹下真吾や野村亮介といった1位指名の選手でもそれは同じようだ。
実際、2019年で3年目のシーズンを迎えた2016年ドラフト加入選手の中では、DeNA2位指名の
水野滉也、日本ハム3位指名の
高良一輝、楽天2位指名の
池田隆英といった上位指名選手が、今オフに戦力外通告を受けている。打力や守備力といった伸びしろがあるようなら、育成転向でチャンスが与えられることもあり、今オフではロッテ3位指名の
島孝明がその例に当たる。
2019年度のドラフト会議は10月17日に行われ、また将来有望な選手たちが厳しいプロの世界に入ってくる。今回のドラフトで加入する選手のうち、3年目の壁を乗り越え、5年目のシーズンもNPBに在籍していられるのは何人いるだろうか?
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM