今シーズン限りで引退を表明した
上原浩治や
阿部慎之助は、ドラフト1位で入団(逆指名)し、長く活躍した選手だ。一方で、
西武の
大石達也のようにドラフト1位指名で入団したものの、その期待に応えるような活躍ができないまま引退した選手も少なくない。では、こうしたドラフト1位で入団した選手の一軍での実働年数は、平均すると何年くらいになるのだろうか?
過去30年のドラ1平均実働年数は約8年
今回は、1989年~2018年までの過去30年間のドラフト1位選手の実働年数を調べ、平均何年プレーしたのかを計算してみた。実働年数のカウント条件は、現役選手を除きNPBでの一軍出場のみ。逆指名では第1位に当たる選手をカウントし、自由枠で入団した選手が2人いる場合は2人ともカウントしている。また、育成選手ドラフトを除いたものとなっている。
まず、過去30年の逆指名・自由枠含むドラフト1位選手(入団拒否6人を除く)は全部で400人。このうち249人はすでに引退しており、平均実働年数は「8.12年」となった。高卒なら26歳、大卒なら30歳、社会人ならだいたい30代前半で引退ということになる。
最も実働年数が長かったのは、1996年中日入団で2018年に引退した荒木雅博と1995年入団で2016年に引退した
大村三郎(サブロー)の2人。実働年数は実に22年に及んでいる。反対に短いのは1年で、最近では2015年に入団した中日の
野村亮介や
ヤクルトの
竹下真吾など12人。引退まで一軍での出場がなかったケースも16例あった。
MLBなど、海外リーグでのプレー期間を含めた場合に最も長くなるのが、横浜やドジャースなどで活躍した
齋藤隆で23年。
石井一久も海外を含めると22年と長く活躍している。
現役で実働年数が一番長いのは誰?
すでに引退した選手では最長が23年だったが、現役のドラ1選手で最も実働年数が長いのは誰かご存じだろうか? 正解はソフトバンクの内川聖一で19年。来季で20年目となる。次いでヤクルトの
石川雅規の18年が続き、
巨人の
大竹寛も今年17年目のシーズンを過ごした。
海外でのプレー期間を含めると、現役で最も長いのが
阪神の
福留孝介。NPBで16年、MLBで5年の計21年で、ソフトバンクの内川を超える実働年数だ。同じく阪神の
藤川球児も、NPB16年、MLB3年で計19年と実働年数は長い。
ちなみに、歴代最長実働年数は29年。西武、ダイエー、巨人で活躍した
工藤公康、
オリックスや
日本ハムでプレーした
中嶋聡、先発勝利やノーヒットノーランなど数々の最年長記録を持つ
山本昌の3人の記録だ。3人ともドラフト1位指名ではない(工藤は6位、中嶋は3位、山本は5位)が、長く活躍したレジェンドだといえる。
2019年のドラフトでは
佐々木朗希や
奥川恭伸など、今後のNPBを担うかもしれない逸材たちが1位指名を受けて入団した。果たして歴代最長実働年数を更新するような選手は出てくるのか、今後の活躍を期待したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM