2019年シーズン、パ・リーグの首位打者に輝いたのは
西武の
森友哉だ。シーズンを通して好調を維持し、最終的に打率.329の成績でタイトルを獲得。史上4人目となるキャッチャーの首位打者獲得となった。来季もこの調子を維持し、2年連続首位打者のタイトルを目指してもらいたいところだ。では、同じようにキャッチャーで首位打者に輝いた先人、
野村克也、
古田敦也、
阿部慎之助の3人は、翌シーズンにどのような成績を残したのだろうか?
先人は翌シーズンも好調を維持

南海・野村克也
●野村克也
※首位打者獲得シーズン成績(1965年)
試合:136
打数:488
安打:156
本塁打:42
打点:110
打率:.320
※翌シーズン成績(1966年)
試合:133
打数:474
安打:148
本塁打:34
打点:97
打率:.312
1965年に三冠王に輝き、キャッチャーとして初めて首位打者のタイトルを獲得した野村。翌シーズンは133試合に出場してリーグ3位となる打率.312の成績を残した。この年は
ロッテの
榎本喜八が圧倒的だったこともあり首位打者は逃したが、本塁打と打点の二冠に輝いている。
●古田敦也
※首位打者獲得シーズン成績(1991年)
試合:128
打数:412
安打:140
本塁打:11
打点:50
打率:.340
※翌シーズン成績(1992年)
試合:131
打数:474
安打:150
本塁打:30
打点:86
打率:.316
野村がキャッチャーとして首位打者に輝いてから26年後、その野村の教え子である古田敦也が打率.340で首位打者に輝いた。打率2位の
中日・
落合博満とはわずかに4毛差という大接戦だった。翌1992年シーズンは打率.316と前年を下回るも、本塁打は30本と大きく向上。チームのリーグ優勝に貢献した。
●阿部慎之助
※首位打者獲得シーズン成績(2012年)
試合:138
打数:467
安打:159
本塁打:27
打点:104
打率:.340
※翌シーズン成績(2013年)
試合:135
打数:422
安打:125
本塁打:32
打点:91
打率:.296
2012年シーズンは巨人が2位・中日に10.5ゲーム差の圧倒的な成績で優勝。その原動力となったのは間違いなく阿部だった。主に四番を任され、月間MVPを3度獲得。最終的に打率.340で首位打者、104打点で打点王にも輝いた。三冠王が期待された翌2013年も好調を維持してチームをけん引したが、残念ながら打撃タイトルは獲得できなかった。
過去にキャッチャーで首位打者を獲得した3人は、いずれも翌シーズンも好調を維持。野村は首位打者を逃すも本塁打と打点の二冠、古田と阿部はタイトルは獲得できなかったものの、傑出した打撃成績を残している。首位打者を獲得したことで、翌年はよりマークも厳しくなるが、それをものともせずに活躍したのだ。
果たして森は先人に匹敵する活躍ができるのだろうか。前人未到の「キャッチャーで2年連続首位打者」を目指して奮起してもらいたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM