
今季2年目を迎える宜保翔。19歳の次なる目標は「一軍定着」だ
昨季のファームの試合前。誰よりも先にベンチ前に現れ、左足(軸足)体重を乗せるように軽くジャンプしてスイングを繰り返す。打撃向上を期すドラフト5位のルーキーが、スイングとフォームを確認していた。
「これまで課題は漠然としたものでした。でも今は明確になっている。だから意味ある素振りができるようになりました」
1年目の昨季は、春季キャンプから「もっと打てるように」と打撃向上に努めてきたが、ファーム開幕後、プロの直球に差し込まれることが多く、意識したのは「タイミングを早く取ること」だった。
以降、早トップを固めるとミート力がアップ。と同時に、次の課題が見つかったという。
「ボールを飛ばすパワーがない」
力あるプロのボールをはじき返すべく、ベンチプレスやスクワットなどのウエート・トレーニングで筋力アップを図り、体は春季キャンプ時より体は一回り大きくなった。ただ、求めるのは「スイングの力強さ」だ。
試合前の軸足に体重を乗せた素振りは、体重移動を意識したものにほかならない。
「タイミンの課題から『強くはじき返す』という次の課題に移っている最中。だから、しっかり軸足に力をためてスイングしていたんです」
9月には一軍初昇格を果たし、同23日の
ソフトバンク戦(京セラドーム)でプロ初安打もマークした。一歩ずつ前に進んだルーキーイヤー。そして、次なる目標は「一軍定着」へ──。
2年目へ向け、秋季キャンプで汗を流し、11月からは台湾のウインター・リーグに参戦。自らと向き合い、一つひとつ課題を克服して成長する背番号53。若手投手が次々と台頭している
オリックスの中で、2020年の飛躍が楽しみな“若手野手”だ。
写真=BBM