
2月4日の巨人キャンプ、今年最初の紅白戦で1回を1安打無失点に抑えた戸郷翔征
ブルージェイズに移籍した
山口俊の穴を埋めるのはだれか。巨人の春季キャンプのテーマの1つに、『先発ローテーションの確立』がある。シーズンが始まればさまざまな事情で入れ替えが行われていくものだが、1年を通して顔ぶれが変わらないチームほど強い。
現状は、エース・
菅野智之と、19年は韓国で17勝を挙げた新外国人のA.
サンチェスが大きな柱と期待されている。これに昨季8勝のC.C.メルセデス(※左ヒジ違和感で8日からファームへ。こちらも心配)と
桜井俊貴、プロ2年目の
高橋優貴、戸郷翔征の4人が3~6番手グループ。これ以外にも
田口麗斗(中継ぎと両にらみ)や
今村信貴、
古川侑利らも続く。
中でも注目は高卒2年目の右腕・戸郷だろう。昨季は5年ぶりのリーグ優勝へ王手をかけた9月21日の
DeNA戦(横浜)直前に一軍登録され、大事な一戦でプロ初登板初先発を果たした。右腕に勝ち負けはつかなかったものの、5回途中2失点と十分なパフォーマンス。「マウンドに立ったときは一瞬、緊張しましたけど、意外と冷静に投げられました」と、高卒1年目とは思えないほど落ち着いたマウンドさばきでDeNA打線に立ち向かったことが、高く評価された。
その後、プロ初勝利を挙げると、CS、日本シリーズのマウンドにも立つなど、貴重な経験を積んで1年目のシーズンを終えている。そんな19歳に「山口俊の穴埋めを」と周囲の期待は大きく、本人がその気でいるのも頼もしい。
オフには山口俊と自主トレを共にして肉体改造と技術習得に励むと、約4キロ増でキャンプイン。さっそく初日の1日からフリー打撃に登板し、4日には今年最初の紅白戦で一軍の2番手で登板すると、1イニングを1安打無失点とまずまず。現在はグラブを顔の横に置く新フォームを模索中で、まだまだ試行錯誤が続く中ではあるが、「チャンスでもありますし、山口(俊)さんの代わりを自分が務めるくらいの気持ちでやっていきたいです」ときっぱり。
背番号もわずか1年で入団時の「68」から「13」へと出世しており、ここに変更を決定した
原辰徳監督や球団の期待の高さを見ることができる。週刊ベースボールでは、そんなジャイアンツのプロスペクト・戸郷のインタビューを実施。発売は2月19日(週刊ベースボール3月2日号を予定)と少し先だが、山口との自主トレの様子や、新たなトレーニングとの出あい、これからのターゲットなど、話題は多岐に及んでいるので、お楽しみに。
文=坂本 匠 写真=桜井ひとし