2019年シーズンは、
西武の
中村剛也、
山川穂高、
森友哉が3人そろって100打点に到達。2010年に
阪神が記録して以来の100打点トリオが誕生した。この「100打点トリオ」は、実はNPBの長い歴史の中でたった5組しかいないかなりレアな記録。それだけ1つのチームから100打点達成者が複数出るのは難しいのだ。2005年以降、1つのチームから複数の100打点到達者が出たのは何例あるのだろうか?
100打点到達者が2人まで出る例は多いが……

2010年の阪神はブラゼル、新井貴浩、鳥谷敬(写真)の3人が100打点以上をマークした
2005年から2019年までに、同じチームから複数の100打点到達者が出た例は以下のとおり。
・2005年
阪神(
今岡誠:147打点、
金本知憲:125打点)
中日(
福留孝介:103打点、
タイロン・ウッズ:103打点)
ヤクルト(
アレックス・ラミレス:104打点、
岩村明憲:102打点)
・2006年
中日(タイロン・ウッズ:144打点、福留孝介:104打点)
・2008年
オリックス(
タフィ・ローズ:118打点、
アレックス・カブレラ:104打点)
・2009年
中日(
トニ・ブランコ:110打点、
森野将彦:109打点)
巨人(
小笠原道大:107打点、アレックス・ラミレス:103打点)
・2010年
阪神(
クレイグ・ブラゼル:117打点、新井貴浩:112打点、鳥谷敬:104打点)
・2011年
西武(中村剛也:116打点、
中島裕之:100打点)
・2015年
ヤクルト(
畠山和洋:105打点、
山田哲人:100打点)
・2018年
西武(
浅村栄斗:127打点、山川穂高:124打点)
・2019年
西武(中村剛也:123打点、山川穂高:120打点、森友哉:105打点)

昨季の西武は中村剛也が123打点でタイトルを獲得するなど3選手が100打点以上を挙げた
2005年以降、同一チームから複数の100打点到達者が出たのは計12例。このうち10例が2人にとどまっている。2009年の中日は、チーム打点3位の
和田一浩が87打点と残り13まで迫っていたが、これが最も惜しいケースで、これ以外の「チーム打点3位」の成績は100打点到達が難しい数字だった。やはり「あと一人」が難しいのだ。
そもそも100打点に到達した選手は2005年以降67人(セ・リーグ39人、パ・リーグ28人)しかいない。15シーズンで割るとシーズン当たり4.5人となる。意外と多い印象を受けるが、これはあくまでリーグ全体での数字。この4.5を球団数の12で割ると約0.38。1チームから100打点到達者が一人出ればラッキーという数字だ。そう考えると、1チームから複数、ましてや3人もの100打点到達者が出るのは、現在の西武のように球界屈指の強打者が何人もいるような状況でないと、相当に難しいことだといえる。
今シーズンは新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れており、無事にシーズンが始まったとしてもスケジュールを考えると100打点到達は難しい年になりそうだ。そんな中で、もし1チームから複数の100打点到達者が出た場合は、後世に残る伝説になるだろう。伝説を作るのは果たして西武か、それとも別のチームなのか。ぜひ注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM