日本のトップレベルの選手たちが集まる侍ジャパンに、不思議と縁がない選手たちがいる。昨季の最多勝右腕・
有原航平、2017年首位打者・
宮崎敏郎、日本ハムで攻守に不可欠な存在となった大田泰示……来年に開催が延期になった東京五輪で選出される可能性が十分あり、今後の活躍が注目される。
日本ハム・有原航平
・有原航平(日本ハム)
過去に侍ジャパンに選出されたことがないのが不思議な投手だ。2014年のドラフトで4球団が1位指名で競合し、日本ハムに入団。プロ5年間で52勝をマークし、3度の2ケタ勝利を挙げている。昨季は15勝8敗、防御率2.46の好成績で最多勝を獲得。来年に開催延期になった東京五輪の先発要員で有力候補だが、昨オフの契約更改でポスティングシステムを利用してメジャー・リーグへの挑戦を球団に要望したことを明らかにしている。侍ジャパンのユニフォームを身にまとった有原の姿を見られるだろうか。
・宮崎敏郎(DeNA)
球界を代表する安打製造機の宮崎も侍ジャパンに選ばれたことがない。2017年に打率.323で首位打者を獲得し、18年は打率.318、28本塁打とパンチ力も兼ね備えている。本職の三塁は侍ジャパンで不動のレギュラーがいないため、選出されるチャンスは十分にある。広角に打てる打撃技術で空振りが少なくミート能力が高いことから、「国際試合向き」という声は多い。
・大田泰示(日本ハム)
2010年のインターコンチネンタルカップで日本代表に選出されたが、このときのメンバーは各球団の若手成長株が招集され、フル代表ではなかった。09年ドラフト1位で
巨人に入団してプロの壁に伸び悩んでいたが、17年に日本ハムに移籍すると覚醒。強肩強打でチームに不可欠な存在となり、昨年は打率.289、20本塁打をマークした。昨季開催された「プレミア12」で侍ジャパンの右打者の外野手は
広島・
鈴木誠也のみと層が薄い。大田も日本ハムで引き続き結果を残せば、侍ジャパンへの道が開ける。
・梅野隆太郎(阪神)
「セ・リーグを代表する捕手」と評価が高い梅野もプロ入り後は日の丸と縁がない。捕球技術と「梅ちゃんバズーカ」と称される強肩で18、19年と2年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得。昨年の123補殺はNPB歴代最多記録だった。課題の打撃も年々向上し、昨季はいずれも自己最高の打率.266、9本塁打をマーク。広島・
會澤翼、
西武・
森友哉、
ソフトバンク・
甲斐拓也、巨人・
小林誠司らライバルは多いが牙城を崩せるか。
写真=BBM