2016年に入団した選手たちは今年で5年目を迎える。「大卒組」は
DeNA・
今永昇太が球界を代表する左腕になり、
オリックス・
吉田正尚も長距離砲の素質を開花させて共に侍ジャパンに選出されている。ただプロの世界で活躍し続けるのは難しい。18年度最多勝の
西武・
多和田真三郎は昨季1勝のみ。
広島・
岡田明丈も17年に12勝、18年に8勝を挙げたが昨年は未勝利に終わった。
阪神・
高山俊も1年目に新人王を獲得したが、2年目以降はレギュラーに定着できず伸び悩んでいる。
巨人・
桜井俊貴も昨季は自己最多の8勝をマークしたが、真価が問われるのは今季以降だ。
以下が15年のドラフト1位選手だが、正念場を迎えているのが「高卒組」だ。
楽天 ×
平沢大河→オコエ瑠偉(関東一高)
DeNA 今永昇太(駒大)
オリックス 吉田正尚(青学大)
中日 ×
高橋純平→
小笠原慎之介(東海大相模高)
西武 多和田真三郎(富士大)
広島 岡田明丈(大商大)
ロッテ 平沢大河(仙台育英高)
阪神 高山俊(明大)
日本ハム ×高橋純平→×小笠原慎之介→
上原健太(明大)
巨人 桜井俊貴(立命大)
ソフトバンク 高橋純平(県岐阜商高)
ヤクルト ×高山俊→
原樹理(東洋大)
このドラフトで高卒のドラフト1位はロッテ・平沢大河、楽天・オコエ瑠偉、中日・小笠原慎之介、ソフトバンクの高橋純平の4選手。即戦力としての活躍が求められる大卒組と違い、じっくり育てて将来のチームの主力になるという青写真で球団は獲得しているが、5年目を迎えてウカウカできない立場になっている。昨秋のドラフトで入団した大卒の選手たちは同学年になる。伸びしろに期待して失敗に目をつむってきた時期は過ぎ、結果が求められるシビアな立場なのだ。
ロッテ・平沢大河
・平沢大河(ロッテ)
※通算成績236試合出場、打率.197、7本塁打、46打点、9盗塁
攻守走拍子そろった高校生No.1野手として、ロッテと楽天がドラフト1位で競合。1年目から遊撃の開幕スタメン候補と注目されたが結果を残せず二軍で開幕を迎えた。18年から出場機会を増やすため外野にも挑戦。昨年は打率.198、1本塁打と打撃の質を高めることがレギュラー定着へ大きな課題だ。
・オコエ瑠偉(楽天)
※通算成績188試合出場、打率.219、9本塁打、38打点、16盗塁
関東一高の3年夏に甲子園で大活躍してドラフト1位候補に。力強いスイングに俊足を生かした中堅の広い守備範囲で身体能力はピカイチだが、結果をなかなか残せない。1年目は開幕一軍入りして51試合に出場して期待が高まったが、2年目以降は度重なる故障もあり外野の定位置をつかめない。
中日・小笠原慎之介
・小笠原慎之介(中日)
※通算成績61試合登板、15勝21敗、防御率4.03
東海大相模高で高3夏に全国優勝を達成したエース左腕。最速152キロの剛速球が武器で、中日に入団後は
川上憲伸の背番号「11」を継承した。18年9月に左ヒジ遊離体除去術および左肘頭形成術を受けて長期離脱した影響で昨年は7試合の登板に終わったが、先輩の
大野雄大とともに左腕エースとして球団の期待は大きい。
ソフトバンク・高橋純平
・高橋純平(ソフトバンク)
※通算成績46試合登板、3勝2敗17ホールド、防御率3.17
高校No.1右腕としてスカウトの評価が高く、ドラフトでは3球団が競合。ソフトバンクが当たりクジを引き当てた。入団3年目まで一軍登板がわずか1試合だったが、昨年は45試合登板とセットアッパーで覚醒。3勝2敗17ホールド、防御率2.65の好成績でチームの日本一に大きく貢献した。
写真=BBM