球界を代表する選手として活躍する西武・森友哉、
山川穂高は7年前の2013年ドラフトでいずれも1、2位の単独指名で入団している。同年のドラフト1位は桐光学園高・
松井裕樹(
楽天)に5球団、九州共立大・
大瀬良大地(
広島)に3球団、東京ガス・
石川歩(
ロッテ)に2球団が競合。
オリックスの
吉田一将と西武の森が単独指名だった。2位からはウェーバー制で西武は9番目の指名で山川を獲得している。各球団の指名選手を見ると、ドラフト戦略の明暗が大きく分かれた結果になっている。
・
日本ハム 1位
渡邉諒(東海大学甲府高)
2位
浦野博司(セガサミー)
3位
岡大海(明大)
4位
高梨裕稔(山梨学院大)
5位
金平将至(東海理化)
6位
白村明弘(慶大)
7位
岸里亮佑(花巻東高)
8位
石川亮(帝京高)
1位の渡邉諒は松井裕樹、
柿田裕太、
岩貞祐太を抽選で外して「外れ外れ外れ1位」で獲得。昨年132試合出場で打率.262、11本塁打と二塁の定位置をつかんだ。岡はロッテ、高梨は
ヤクルトにトレード移籍し、現在も在籍しているのは渡邉、浦野、白村、石川亮の4人。
・ヤクルト
1位
杉浦稔大(国学院大)
2位
西浦直亨(法大)
3位
秋吉亮(パナソニック)
4位
岩橋慶侍(京産大)
5位
児山祐斗(関西高)
6位
藤井亮太(シティライト岡山)
1位の杉浦は先発で期待されたが度重なる故障に泣かされて目立った成績を残せず、日本ハムに移籍。鉄腕として救援の屋台骨を支えた秋吉も日本ハムにトレード移籍し、守護神として活躍している。
・オリックス
1位 吉田一将(JR東日本)
2位
東明大貴(富士重工)
3位
若月健矢(花咲徳栄高)
4位
園部聡(聖光学院高)
5位
吉田雄人(北照高)
6位
奥浪鏡(創志学園高)
7位
柴田健斗(BCL/信濃)
8位
大山暁史(セガサミー)
※育成枠
1位 東弘明(四国IL/徳島)
ドラフト1位で単独指名に成功した社会人No.1右腕・吉田一はセットアッパーとして活躍。3位の若月は正捕手としてチームに不可欠な存在に。高卒で同期入団の森友哉に負けられない。
・
DeNA 1位 柿田裕太(日本生命)
2位
平田真吾(Honda熊本)
3位
嶺井博希(亜大)
4位
三上朋也(JX-ENEOS)
5位
関根大気(東邦高)
6位
山下峻(松本大)
※育成枠
1位
砂田毅樹(明桜高)
2位
萬谷康平(ミキハウスREDS)
ドラフト1位で松井裕樹の抽選を外し、「外れ1位」で
阪神と競合して柿田の獲得に成功したが一軍未登板で退団。4位・三上は1年目からセットアッパーとして活躍。抑えも務めた。
・ソフトバンク
1位
加治屋蓮(JR九州)
2位
森唯斗(三菱自動車倉敷オーシャンズ)
3位
岡本健(新日鐵住金かずさマジック)
4位 上林誠知(仙台育英高)
※育成枠
1位
石川柊太(創価大)
2位
東方伸友(浜田商高)
3位
曽根海成(京都国際高)
4位
張本優大(佛教大)
ソフトバンクもこの年のドラフトで勝ち組だろう。2位の森はセットアッパーから絶対的守護神に。4位の上林も昨年は不本意な成績に終わったが伸びしろ十分。育成1位の石川も18年に13勝をマーク。エースになれる素材だ。
・
中日 1位
鈴木翔太(聖隷クリストファー高)
2位
又吉克樹(四国IL/香川)
3位
桂依央利(大商大)
4位
阿知羅拓馬(JR東日本)
5位
祖父江大輔(トヨタ自動車)
6位
藤澤拓斗(西濃運輸)
※育成枠
1位
岸本淳希(敦賀気比高)
2位 橋爪大佑(大商大)
1位の鈴木は17年に5勝を挙げて頭角を現したが、昨季は一軍登板なし。今年は正念場だ。又吉は1年目から3年連続60試合以上登板。昨年は26試合に登板にとどまったが、救援陣の中心として復活を。
・ロッテ
1位 石川歩(東京ガス)
2位
吉田裕太(立正大)
3位
三木亮(上武大)
4位
吉原正平(日本生命)
5位
井上晴哉(日本生命)
6位
二木康太(鹿児島情報高)
※育成枠
1位
肘井竜蔵(北条高)
1位の石川は
巨人と競合したが獲得に成功。1年目から先発ローテーションに入り、1年目からプロ6年間で56勝を挙げている。5位の井上、6位の二木もチームに欠かせない主力に成長した。

広島・大瀬良大地
・広島
1位 大瀬良大地(九州共立大)
2位
九里亜蓮(亜大)
3位
田中広輔(JR東日本)
4位
西原圭大(ニチダイ)
5位
中村祐太(関東一高)
西武に劣らず13年ドラフトの勝ち組と言えるのが広島だろう。3球団競合で当たりクジを引いた大瀬良は不動のエースに。九里も先発ローテーションを担い、田中も昨季は打撃不振に苦しんだが、球界を代表するリードオフマンとして打線を牽引している。
・西武
1位 森友哉(大阪桐蔭高)
2位 山川穂高(富士大)
3位
豊田拓矢(TDK)
4位
金子一輝(日大藤沢高)
5位
山口嵩之(トヨタ自動車東日本)
6位
岡田雅利(大阪ガス)
7位
福倉健太郎(第一工大)
1位で単独指名に成功した森は昨季首位打者を獲得するなど「打てる捕手」として活躍。山川も18、19年に2年連続本塁打王で今年もタイトル争いの大本命だ。5位の岡田も森をサポートする「第2捕手」として欠かせない存在だ。
・阪神
1位 岩貞祐太(横浜商大)
2位
横田慎太郎(鹿児島実高)
3位
陽川尚将(東農大)
4位
梅野隆太郎(福岡大)
5位
山本翔也(王子)
6位
岩崎優(国士舘大)
4位の梅野は強肩強打を武器に正捕手に。昨年は123補殺で捕手のシーズン日本記録を塗り替えた。1位の岩貞は16年に2ケタ勝利をマークしたが、その後は不本意な成績が続いている。今年は左のエースとして大ブレークが期待される。

楽天・松井裕樹
・楽天
1位 松井裕樹(桐光学園高)
2位
内田靖人(常総学院高)
3位
濱矢廣大(Honda鈴鹿)
4位
古川侑利(有田工高)
5位
西宮悠介(横浜商大)
6位
横山貴明(早大)
7位
相原和友(七十七銀行)
8位
相沢晋(日本製紙石巻)
9位
今野龍太(岩出山高)
5球団が競合した松井は守護神として139セーブを積み上げ、今年から先発に転向。2位の内田は18年に12本塁打をマークしたが、昨年は2試合出場のみで0本塁打。覚醒が待たれる和製大砲だ。
・巨人
1位
小林誠司(日本生命)
2位
和田恋(高知高)
3位
田口麗斗(広島新庄高)
4位
奥村展征(日大山形高)
5位
平良拳太郎(北山高)
・育成枠
1位
青山誠(日大)
2位
長江翔太(大阪経大)
3位
北之園隆生(秀岳館高)
1位指名でロッテ・石川の抽選を外したが、「外れ1位」で獲得した小林は強肩を武器に投手陣の信頼が厚い。3位の田口も16、17年と2年連続2ケタ勝利。昨年は救援で55試合登板した。今年は先発復帰で左のエースとして躍動する。
写真=BBM