
連日安打をマークしている日本ハムの近藤。「打率4割」に最も近い男はどこまで数字を伸ばせるか
首位打者争いの「本命」に、いよいよエンジンがかかってきた。
日本ハム・
近藤健介。8月5日の
西武戦(札幌ドーム)では自己最長となる14試合連続安打をマークし、一時は2割前半だった打率も.316(8月5日現在)にまで乗せてきた。今シーズンのファイターズは例年以上に打順が変わる中で、三番の近藤に関しては開幕から不動。そこには
栗山英樹監督からの絶大な信頼がある。
それでは近藤というバッターはいったい何がすごいのか? 類まれな打撃センス、卓越したバットコントロール、選球眼の良さ、元捕手だけに配球の読みなどが挙げられるが、以前にチームメートでプライベートでも仲が良い
松本剛が近藤の特筆すべき能力について興味深いことを語ってくれたことがある。
「近ちゃん(近藤)は打つべきボールなのか、そうでないのかを見極める力がすごい。分かりやすく言うと、バッターボックスの中で2回見てるイメージ。普通の選手なら1回で判断するところを、キャッチャーミットに収まるギリギリまでボールを2段階に分けて見れているから、ボール球は振らないし、難しいボールはギリギリでカットできる。それができる選手って球界でもほとんどいないんじゃないですかね」
ピッチャーが投げてキャッチャーに届くまでのコンマ何秒の世界の中で、ボールを2段階で「
ジャッジ」できる能力。それを可能にしているのはスイングスピードの速さ、巧みなバットコントロールも不可欠だが、近藤が天才と言われる所以はこんなところにもある。
現在のパ・リーグの首位打者争いは
ソフトバンクの
柳田悠岐、
楽天の
ロメロ、
オリックスの
吉田正尚が頭1つ抜けている状況だが、そこに待ったをかけられるのは近藤しかいない。自身の目標として公言し続けてきている首位打者のタイトル獲得に向け、北のヒットメーカーのバットから今後も目が離せない。
写真=BBM