
登録抹消が決まった阪口。ファームで結果を残し再び一軍マウンドに帰ってくることができるか。与えられるチャンスには限りがある
プロ入り5度目、今季2度目の先発のマウンドも初白星は叶わなかった。8月30日の
ヤクルト戦(横浜)に登板した
DeNA・
阪口皓亮は序盤からボールが先行し、ストライクを取りにいったところを痛打される苦しい立ち上がり。初回は犠飛による1点で切り抜けたが、2回に再び制球力を欠いて、四球から二死満塁のピンチを招いてしまう。ここで三番・
山田哲人に2-0から真ん中のストレートを右翼スタンドへグランドスラムを運ばれた。
2回5失点KO。この結果に3年目の右腕は「早いイニングでの降板となりリリーフ陣、そしてチームに申し訳ないです」と言葉少なにコメント。試合後、
ラミレス監督は「もう少しやってくれるかな、という期待はあった。相手の先発は(前回ノーヒット・ノーランの)小川(
小川泰弘)で、ヤクルトも連敗を止めるというモチベーションが高く、簡単ではなかったけれど、4~5回までを考えていた。抹消させます」と阪口の投球を冷静に振り返った。
この日、投げた59球中32球がボールゾーン。これではリズムに乗っていけない。特に走者を背負ってから慎重になり過ぎた。そんな中にも、光るボールもあった。1回二死からエスコバーを空振り三振に打ち取った151キロのアウトローは糸を引くような直球であり、首脳陣が阪口に何度もチャンスを与えるのもうなずける。一皮剥ければ、先発の軸となれる投手であることはチームも分かっているのだ。初白星をつかむには、テンポよくストライク先行で、スムーズに試合に入れるかが課題となる。
今永昇太、
平良拳太郎が離脱した先発陣は、絶対的に頭数が足りない。それゆえに阪口の一本立ちを誰もが待っている。もう一度ファームで結果を残し、再昇格に期待だ。
文=滝川和臣 写真=大賀章好