一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 長嶋は風邪をひかない男

表紙は大洋・平松政次。当時の背ネームは全員KAWASAKIだった
今回は『1972年3月20日号』。定価は100円。
春季キャンプたけなわだが、
巨人宮崎キャンプでは風邪が流行っていたらしい。
宿舎に戻ると、みな薬液でのうがいが義務付けられていた。4000円の注射も打っていたというが、こういうのはまず効かない(昔は)。
ほぼ全員風邪をひき、唯一、
長嶋茂雄だけ引いていなかった。
「僕は、ほんと風邪は引かんね。もう2年ぐらい風邪をひいてない。どうだい、この元気さ。風邪のほうで逃げていっちゃうんだからねえ」
健康の秘訣はローヤルゼリーだという。
長嶋のショートインタビューもあった。その中で、若さの秘訣を聞かれ、
「歳は取るものじゃない。“食う”もの。つまり“食べちゃう”んだ」
とあった。最近は映像でしか拝見しないが、いつまでもお元気でいてほしい。
巨人の7連覇を記念したLPレコード「輝く巨人軍」が東芝レコードから発売された。
前年の日本シリーズ、シーズンの名場面、長嶋の歌う「新雪」、息子・一茂のパパ評、
王貞治の演奏するピアノ、王の素振りの音などなどが入っているらしい。
制作スタッフは、前年巨人に密着していたらしいが、
「シリーズの取材のとき、阪急のスパイと間違えられ、黒江さんにつかまり、牧野コーチのところまえしょっぴかれたことがありました」
と話していた。
では、また月曜日に。
<次回に続く>
写真=BBM