11月14日にセ・リーグ最終戦が行われ、これで両リーグともにレギュラーシーズン全日程を終了。順位と個人タイトルが確定した。
阪神・
近本光司は今季31盗塁を記録し、プロ1年目で獲得した昨季に続き、2年連続での盗塁王獲得となった。では、過去に複数シーズン連続で盗塁王となった選手は何人いるのだろうか?
最長は13年連続
2年連続の盗塁王に輝いた近本
今回は、2リーグ制となった1950年以降での記録で、連続盗塁王となった選手を調べてみた。その結果、該当したのは以下の25人。
●13年連続
福本豊(阪急)1970年〜1982年
●5年連続
広瀬叔功(南海)1961年〜1965年
赤星憲広(阪神)2001年〜2005年
●4年連続
西村徳文(
ロッテ)1986年〜1989年
片岡易之(
西武)2007年〜2010年
●3年連続
木塚忠助(南海)1950〜1952年
ロベルト・バルボン(阪急)1958〜1960年
屋鋪要(大洋)1986年〜1988年
緒方孝市(
広島)1995年〜1997年
松井稼頭央(西武)1997年〜1999年
石井琢朗(横浜)1998年〜2000年
※木塚は1リーグ時代を含めると4年連続 ●2年連続
金山次郎(松竹)1952〜1953年
河野旭輝(阪急)1956〜1957年
岡嶋博治(
中日)1958〜1959年
柴田勲(
巨人)1966〜1967年、1977年〜1978年
高橋慶彦(広島)1979年〜1980年
松本匡史(巨人)1982〜1983年
大石大二郎(近鉄)1983年〜1984年
野村謙二郎(広島)1990年〜1991年
西岡剛(ロッテ)2005年〜2006年
福地寿樹(
ヤクルト)2008年〜2009年
本多雄一(
ソフトバンク)2010年〜2011年
山田哲人(ヤクルト)2015年〜2016年
西川遥輝(
日本ハム)2017年〜2018年
近本光司(阪神)2019年〜
2年以上連続となると意外と多くの選手が達成している。しかし、3年連続以上となると11人と半分以下になり、4年連続以上は広瀬、福本、西村、赤星、片岡の5人のみ。3年連続、4年連続と盗塁王の座を死守し続けることは、当然ながら容易ではないのだ。そんな中で、13年連続という記録を残した福本は、あらためて驚異的だといえる。
新人からの連続記録は……?
39、26、61、64、60盗塁で5年連続タイトルを獲得した赤星
今回の近本のように、ルーキーシーズンから連続して最多盗塁を記録した選手は過去何人いるのだろうか? 連続盗塁王となった25人を調べたところ、近本以外で達成したのは2001年の赤星のみ。つまり、「新人での盗塁王」「新人からの2年連続盗塁王」という記録は、過去阪神の選手だけしか達成していないレア記録なのだ。
2001年に、NPB史上初となる「新人での盗塁王」に輝いた赤星は、高い走力を生かしてレギュラーに定着。リーグトップの39盗塁と、赤星を抜擢した
野村克也監督の期待に応える活躍を見せた。この数字は新人では歴代4位となる数字で、阪神としても当時45年ぶりとなる盗塁王のタイトルだった。そこから、途中ケガや不調に見舞われるものの、毎シーズン走りまくり、2005年まで5年連続で盗塁王の座に君臨。新人からの5年連続盗塁王は言うまでもなくNPB記録だ。
今シーズン、見事に盗塁王のタイトルを獲得し、NPBでは25人目の「連続盗塁王」となった近本。ルーキーシーズンからの獲得もこれで2年連続となり、球団の先輩である赤星が持つ「新人からの5年連続」という大記録への「挑戦権」を得た。果たして来シーズンも、その快足ぶりを見せつけてくれるのか、今から楽しみにしたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM