四番に抜擢され、首位打者を獲得するなど期待に応えた佐野
レギュラー経験なし、1度もシーズンを通して一軍でプレーしたことがない4年目の
佐野恵太を「キャプテン・四番」に大抜てき──。開幕前には
DeNA・
ラミレス監督の英断を疑問視する声はあったが、周囲の雑音は自らのバットで消し去り、指揮官の期待に結果で応えてみせた。
開幕から順調に安打を重ねていったが、なかなか本塁打が出ずにソト、
オースティン、ロペスの助っ人に挟まれた「つなぎの四番」と揶揄された時期もあった。しかし、開幕から28試合目にようやく初本塁打を放つとアーチ量産態勢へ。7月24日の
広島戦(横浜)の逆転満塁弾で勢いに乗ると、8月は月間打率.343、6本塁打、22打点で初の月間MVPに選出され、首位打者にも浮上。9月も月間打率.371と好調で、10月には球団タイ記録となる5試合連続本塁打をマーク。「アメージングという言葉に尽きる」とラミレス監督も佐野の活躍を手放しで喜んだ。
シーズン最終盤の10月末、試合中のスライディングで左肩関節脱臼により戦線離脱を余儀なくされたが、見事、首位打者に輝いた。本人にとってはタイトルよりも四番としてレギュラーを張った事実こそが大きな自信となり、財産となったことだろう。
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