一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 パで2シーズン制検討

オールスターでの野村と王
今回は『1972年5月8日号黄金週間特大号』。定価は120円。
南海の兼任監督、
野村克也が4月18日の東映戦で3ラン。これで前人未到の1500打点を達成した。
「記録なんてもんは長い間、元気でやっていれば自然にできるもの。こっちは別に記録をつくろうと思ってやっているわけやないんだから」
と言いつつ、ややニヤケ顔。
その後、「で、2位は誰や」と記者に聞くと、
巨人・
長嶋茂雄との答え。およそ200打点差だった。
「何200打点? 長嶋だったら2年で追いつくやないか。そんな簡単に破られるのなら、ワシはまだまだやめられんな。長嶋がへばるまでワシは頑張らないかん」
さらに、これも史上最多のホームラン記録は巨人・
王貞治に追われていた。
「打点もホームランも、いつかはONに追いつかれるかもしれん。しかし、こうなったらワシも頑張る。どうせ追いつかれるにしても簡単には追いつけんようにとことんやってみるつもりや」
人気低迷に苦しむパ・リーグで翌季からの前後期2シーズン制導入を検討する、という発表があった。春秋の2シーズン制は1リーグ時代の1936年から38年までやっていたもの。
優勝争いが二度楽しめるという意見とともに、日程が過密になる、勢いだけで優勝してしまうことも考えられ、真のチームづくりの妨げになるのでは、という意見もあった。
果たしてどうなるか。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM