
今季は51試合に登板し、3勝1敗8ホールド、25セーブ、防御率2.24をマークしたスアレス
すい星のごとく現れたクローザーだ。昨季は
ソフトバンクで思うような成績を挙げられなかった。しかし、今季
阪神に移籍すると、結果を残しセットアッパーとして開幕を迎える。常時155キロ以上の真っすぐと140キロ台後半のフォークをコーナーに決めていく。
打者を簡単にアウトに仕留めていくが、表情は何一つ変えない。淡々としたたたずまいに迫力さえ感じさせた。そして守護神・
藤川球児が調整不足で打たれ始めると、
矢野燿大監督はスパッと安定感のあるスアレスをクローザーに抜擢したのだ。
「ボクとしてはどのポジションかというのは関係なく、与えられたところで結果を出すだけ」と9回独特の緊張感も吹き飛ばす快投。危なげなく3人で仕留め試合を終わらせる内容が続いた。まさに無双状態に入った。
今季に懸ける思いは強く、オフの期間に投球フォームのメカニックを見直した。そして、行きついたのが下半身の強化だった。下半身が安定したことと、メカニックの修正により制球力が抜群に上がり、自信を持って阪神に移籍してきた。そして終わってみれば3勝25セーブで最多セーブのタイトルに輝いた。チームの白星の約半分に貢献。まさにスアレスの快投なしにチームの2位はなかった。
写真=BBM