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2020惜別球人

【2020惜別球人】ロッテ・細川亨 日本一の味を知る4球団を渡り歩いた扇の要

 

消えなかった野球への情熱


11月9日にZOZOマリンで行われた引退セレモニーでは、バッテリーを組んだ益田直也(右)、捕手の後輩・田村龍弘(左)から花束を手渡された


 充実感がにじみ出る。西武松坂大輔ソフトバンク和田毅攝津正ら、球界を代表する投手とバッテリーを組んできた背番号55の現役最終マスクは11月9日、日本ハムとの今季最終戦(ZOZOマリン)。引退選手・特例登録でベンチに入ると、8回二死から代打で登場し「変にちょこちょこいくよりも最後までホームラン狙っていこう」と強振して空振り三振に。9回はマスクをかぶって2ラン被弾し苦笑いを浮かべたが、試合後にはナインの手で宙に舞い「こんなに長くプロの世界でやれるとは思ってもいませんでした」と19年のプロ生活に「おなかいっぱいです」と、笑顔がはじけた。

 11月4日に戦力外通告を受け、引退を決意。西武、ソフトバンクでは正捕手として日本一に導くなど、キャリとともに年齢を重ねても野球への情熱は消えることなく、2017年から楽天、19年からロッテと4球団を渡り歩いてきた。16年オフにソフトバンクからコーチの打診を受ける中で現役を貫いてきた男は「この年なのに選手として見てもらって、使ってもらって感謝しかない」と頭を下げる。勝利の味を知る40歳のベテラン捕手が現役に別れを告げた。

写真=BBM
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