最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、先発の大黒柱として活躍した投手の通算勝利数を見て「もっと勝っていたと思った」と驚いたことはないだろうか。以下の投手たちはプロ通算100勝に届かなかった。だが、マウンド上で強烈な輝きを放った姿は「真のエース」そのものだった。
・井川慶(阪神ほか)
※NPB通算219試合登板、93勝72敗1セーブ、防御率3.21
※MLB通算16試合登板、2勝4敗、防御率6.66
阪神で高卒4年目の2001年に9勝をマーク。02年から5年連続13勝以上マークし、03年には20勝5敗、防御率2.80で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、沢村賞と投手タイトルを総ナメにしてリーグ優勝に貢献した。27歳までに通算86勝をマークするが、07年に移籍したヤンキース在籍5年間でメジャー通算2勝に終わり、日本球界復帰した
オリックスでも思うような結果を残せなかった。
・今中慎二(中日)
※通算233試合登板、91勝69敗5セーブ、防御率3.15
中日のエースとして稼働した1990~96年の7年間は強烈だった。細身の体型からムチのようにしなる左腕から140キロ後半の快速球、100キロ前後のスローカーブで毎年200イニング近く投げ続けた。93年は17勝7敗、防御率2.20、247奪三振で最多勝、最多奪三振を獲得。登板過多がたたったのか、97年以降は左肩痛で満足に投げられない時期が続き、30歳の若さで現役引退した。
・吉見一起(中日)
※通算223試合登板、90勝56敗11ホールド、防御率2.94
落合博満政権下の中日で黄金時代を築いたエース右腕。2008年から5年連続2ケタ勝利をマークし、09年に16勝7敗で最多勝、11年に18勝3敗、防御率1.65で最多勝、最優秀防御率、最高勝率を獲得した。抜群の制球力でベテランになっても白星を積み重ねると思われたが、プロ野球人生の後半は右ヒジ痛に苦しみ、登板機会が減少。昨季限りで現役引退した。
・安田猛(ヤクルト)
※通算358試合登板、93勝80敗17セーブ、防御率3.26
小柄なサイドスロー左腕は直球が130キロ台前半だったが、抜群の制球力と緩急を駆使して打者を翻弄した。1年目の1972年に50試合登板で7勝5敗、防御率2.08で新人王、最優秀防御率を獲得。翌73年も2年連続リーグ最多の53試合登板で10勝12敗、防御率2.02で最優秀防御率に。75年から先発に回り、16勝、14勝、17勝、15勝と活躍するが、79年以降は右ヒザを痛めて低迷。81年限りでプロ10年間の現役生活を終えた。
・成瀬善久(ロッテほか)
※通算255試合登板、96勝78敗、防御率3.43
プロ4年目の2007年に先発ローテーションに定着し、16勝1敗、防御率1.81で最優秀防御率、最高勝率に輝く。左腕の出どころが見にくい独特のフォームを武器に09年以降も4年連続2ケタ勝利をマークするなど活躍したが、FA移籍したヤクルトでは在籍4年間で計6勝のみ。オリックスを19年限りで退団し、昨年は独立リーグ・栃木に入団し、投手兼任コーチでプレーした。
写真=BBM