読売ジャイアンツ
順当に行けば、2019年にリーグVを奪回した当時の二番・坂本勇人、三番・
丸佳浩、四番・
岡本和真に戻るかもしれない。昨季もこの形で開幕したが、序盤、坂本と丸の不調で並びを解体。最終的に三番・坂本、四番・岡本、五番・丸のクリーンアップで2連覇を果たした。今季は出塁率が高く、長打もある一番にうってつけの
梶谷隆幸を獲得したことで、二番に坂本が座る利点が最大限に生かされそう。岡本の後を打つことが期待される新助っ人たちが来日できておらず、今後は昨季のクリーンアップの前の二番に梶谷を置くパターンも試される見込みだが、いずれにしろ、「強打の二番」が復活することだけは確かだ。
阪神タイガース
ケガがない限り、一番に
近本光司を据えることは決まっている。近本との相性も含めて誰が二番に合うか、ということを見極めていく。有力候補は
木浪聖也か糸原健斗になるが、粘り強い打撃を見せる糸原が適任だろう。昨季は有鈎(ゆうこう)骨の骨折などで戦列を離れる期間もあるなど悔しいシーズンを送った。今季は全試合出場を目標に、万全の態勢でキャンプに臨んでいる。キャンプでも体のキレが良く、実戦でもすでに勝負強いところを発揮しており、ほぼ確定といえるだろう。
中日ドラゴンズ
プロ5年目の選手会長、京田陽太が有力だ。昨年の後半、チームの快進撃は投手陣の踏ん張りによるところが大きかったが、京田を二番に固定できたこともある。トップバッターは安打製造機の
大島洋平。大島-京田と足のあるコンビが一、二番を組むのがチームにとって最も理想だ。ただし、京田が二番に座るためには犠打、右打ちなどの技術はもちろん、もう少し打席での粘り強さがほしい。昨年は打率.199だった左投手対策も課題。淡白に見られがちな打席を減らし、アウトでもしぶとい打撃に徹する。昨年のチームが序盤に低迷したのは二番がことごとく不振だったからだ。今年は開幕から二番・京田でスタートダッシュをかけたい。
横浜DeNAベイスターズ
ラミレス前監督は、
宮崎敏郎やソトら強打者を二番に置く傾向にあったが、今季から指揮を執る
三浦大輔監督は、「つなぎ役」をこなせる打者を入れたいようだ。現時点では、小技を含めて手堅い攻撃が可能な柴田竜拓が二番の最有力。ただし、三浦監督は「スモール・ベースボール」は得点するための手段の一つであり、打線の並びは「柔軟性を持たせる」としている。より攻撃に振ったオーダーを組む際は、
細川成也や新人・
牧秀悟が二番に入る可能性もある。
広島東洋カープ
昨年は2人の調子の波がそろわず、いずれかが下位打線に回ることが多かった
田中広輔、菊池涼介の「タナ・キクコンビ」だが、今季は一、二番に座ることが基本構想だ。すなわち、二番打者は菊池涼介になる。二番としてのキャリアは長く、場面に応じてヒット・エンド・ランへの対応も、バントも、進塁打も、盗塁補助も、何でもできるその技術は他の追随を許さず、さらには毎年のように2ケタ本塁打を放つパンチ力もある。今季は通算100本塁打へあと5本、通算300犠打へあと6からのスタート。通算300犠打は、プロ10年目で到達すれば、プロ野球最速。上記2つの記録の両方を達成すれば、セ・リーグでは初(元
西武・
伊東勤に続き史上2人目)となる。
東京ヤクルトスワローズ
昨季、二番はほとんど固定できず、最多は
山田哲人の39試合。次いで青木宣親が30試合だった。好機で四番・
村上宗隆につなぐため、二番にはさまざまな役割が課せられる。一番打者が出塁できなければ出塁、一番が出塁すればチャンスの拡大。となれば、バットコントロールに優れ、出塁率の高い打者がうってつけだろう。山田や青木、
坂口智隆が適任だが、彼らは一番や三番、五番に入る可能性も高い。
内川聖一や新助っ人らがクリーンアップに入る活躍を見せることができれば、青木らを二番で起用できる。果たしてどうなるか。
写真=BBM