
注目度はまだまだでも、実力でのし上がる
「マー君フィーバー」の陰でドラフト1位ルーキー・
早川隆久が上々の実戦デビューを飾ったと報じられたばかりだが、そのさらに後ろから存在感をアピールしたのが、同4位の右腕・
内間拓馬だ。
2月21日、
ヤクルトとの練習試合(浦添)、先発した同3位の左腕・
藤井聖が2回4安打4四球2失点と不安定だったのとは対照的に、内間は圧巻の投球を披露した。4回にマウンドに上がると、まず先頭打者の八番・
中村悠平を149キロの内角速球で見逃し三振を奪う。続く九番・
並木秀尊は外角への150キロで見逃し三振。最後は一番・
塩見泰隆からスライダーで空振り三振を奪った。自己最速を2キロ更新した上で3者連続三振という堂々デビューで、中継ぎ陣の一角入りへアピールした。
故郷・本部町にもほど近い金武町で約3週間、充実の時を過ごした。キャンプ初日からブルペンで62球を投げ込んだ。なかなか調子が上がらなかった時期もあったが、技術面で微調整を施し、実戦での結果につなげた。宿舎では大好物の沖縄そばに舌鼓を打ち、「地元に帰ってきたなと感じました」と、心も体も充実している様子だ。
亜大時代は先発も務め、長い回を投げるスタミナもあるが、現在はブルペンの一員となるべく、サバイバルを演じている。「チームが日本一になるためのワンピースになれるように」と、静かに意気込む。故郷の空気に背中を押してもらい、プロの世界で大きく羽ばたくつもりだ。
写真=BBM