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セ・リーグ6球団 優勝へ…絶対にその力が必要な“野手”のキーマンは誰?

 

読売ジャイアンツ



 連覇を果たした昨季はリーグトップの得点力(532得点)を誇った。坂本勇人岡本和真丸佳浩のクリーンアップで201打点(※3人のシーズントータルは239打点)を稼ぎ出したが、さらなる得点力アップに一、二番の出塁は欠かせないポイント。この問題を解決するキーパーソンとして、DeNAからFAで梶谷隆幸を獲得した。昨季は打率.323(セ・リーグ2位)、出塁率.387(同5位)、得点88(同1位)を誇った梶谷について、原辰徳監督も一番を期待する。新外国人のJ.スモーク、E.テームズの来日遅れで、本来は二番・坂本、三番・丸、四番・岡本と続く二番以降の打順再考を余儀なくされ、坂本、岡本、丸のクリーンアップに戻して開幕を迎えることが濃厚だが、リードオフマンの役割は変わらない。

阪神タイガース



 初回の攻撃で先制点を奪い、試合を有利に進めるにはやはり一番打者がいかに塁に出るかにかかっている。特にクリーンアップに勝負強い打者がいればなおさらだ。その意味では阪神のキーマンは、近本光司だろう。2年連続盗塁王で足が注目されるが、年間安打数も2年連続でチーム最多だ。オープン戦でも打率.500(18打数9安打)をマークし、出塁率は.550。開幕にしっかり合わせてきている。近本の今季の目標は「100得点」。多く塁に出て、ホームにかえってくる。この目標が達成されるなら、当然チームは16年ぶりの歓喜となっているはずだ。

中日ドラゴンズ



 爆発の予感を感じさせるのは10年目を迎える高橋周平だ。昨年は打率.305とプロ入り初の3割をマーク。安定感のある打撃でチームトップの勝負強さを見せつけた。シーズン序盤には試合中の故障で3週間ほど戦線離脱となった。ビッグルーキーの石川昂弥が代役を務めたが、やはり高橋との実力差は明白だった。今年も主砲ビシエドのあとを打つ五番に座りそうだが、意識しているのは本塁打。パワーアップに成功し、最低20本をノルマとする。状況に応じた打撃が優先されるのはもちろんだが、それでも一発の怖さがあれば相手投手に与える重圧も違う。与田剛監督の就任とともに主将となって3年目。三塁の守備でも2年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞している。打線だけでなく、攻守にわたってチームのキーマンと言えるだろう。

横浜DeNAベイスターズ



「四番」に指名された昨季は、プレッシャーをはねのけて首位打者のタイトルを獲得したものの、シーズン終盤に試合中の左肩関節脱臼によりシーズンを通して四番の仕事をまっとうすることができなかった佐野恵太。それだけに、今季は「四番でフルシーズン出場」を目標に掲げる。当然、相手投手の警戒は高くなる。その中で昨年の成績にどれだけ近づけるか。ソト、オースティンの来日が遅れているだけに、主砲のバットがしっかりと打点を稼ぎ出したいところだ。寄せられる期待は昨季以上に大きい。

広島東洋カープ



 広島打線のカギを握るのは、何と言っても新外国人のケビン・クロンだ。昨年、15本塁打以上打ったのは25本の鈴木誠也のみというカープ打線の長打力不足を補うためにやってきた大砲で、2019年には3Aで38本塁打を放ったこともある。ただ、昨年はマイナー・リーグの試合がなく、実戦から遠ざかっていたこともあるのか、キャンプ以降の実戦(紅白戦、練習試合、オープン戦)では苦戦。中には2試合連続弾もあったが、3月15日現在では45打数5安打、打率は.111だ。決して引っ張り一辺倒ではないだけに、慣れれば上向く可能性も十分あるが、制球力のいい日本の投手を相手にして先に気持ちに焦りが出てしまうようだと、低空飛行が続く可能性も……。

東京ヤクルトスワローズ



 村上宗隆が不動の四番だけに、その後ろを担う五番打者が重要になってくる。昨季、村上の87四球はリーグトップ。故意四球12もトップで、勝負を避けられ続けた。オープン戦では、新加入の内川聖一が五番で打率.353と快音を響かせているものの、期待したいのは今年21歳になる濱田太貴だろう。オープン戦ではともにリーグ2位の3本塁打、8打点。今は六番に入ることが多いが、村上の後ろを任せても問題ないくらいの成績を残している。「いつかムネさんの前か後ろを打ちたい」と野望を語る右のスラッガー。村上と濱田の“左右の大砲”がそろってクリーンアップに座ることになれば、チームの未来も明るい。

写真=BBM
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