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【一番採点】オリックス90点、楽天50点、ソフトバンク35点…パ・リーグ6球団「一番打者」の評価は?

 

先頭打者として打線を牽引する一番打者。チームに勢いを与える切り込み隊長は、その役割を果たしているのか。パ・リーグ6球団の一番打者を100点満点で採点した。
※記録は6月20日現在

オリックス・バファローズ



オリックス 90点

 一番定着と同時にチームも浮上していった。5月11日に福田周平が一軍昇格を果たすと、同日の日本ハム戦(東京ドーム)で一番・中堅と即スタメン出場。初回の第1打席で初球をとらえて右前打を放てば、以降、打率.327と好調を維持してチャンスメークし、ときにファウルで粘って四球をもぎ取るなど、出塁率も.429を記録している。昨季の首位打者で、今季もリーグトップの打率を誇る三番・吉田正尚の前に、いかに走者を置くが大きなポイントだった中で、二番・宗佑磨と役割をまっとう。得点力が上がったことが、11年ぶり2度目の交流戦優勝を手繰り寄せた。次は、25年ぶりとなるリーグ制覇へ。まだまだ打線をけん引する。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 50点

 今季の開幕戦では辰己涼介が一番に座り、「初回初球先頭打者本塁打」を放つなど好スタートを切った。このままトップバッターに定着するかと思われたが、低調な打撃がネックに。下位打線に組み込まれることが増えた。シーズン途中からは、昨年の基本オーダーだった一番・小深田大翔、二番・鈴木大地の並びが復活。一時は打率2割台前半と苦しんだ小深田だが、6月以降はマルチ安打7度とようやく上り調子。それでもまだ本領発揮とは言えず、合格点には及ばない。中軸には浅村栄斗島内宏明勝負強い打者が控えている。とにかく出塁し、自慢の脚力で得点を積み重ねたいところだ。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 35点

 鷹のリードオフマンとして定着させるべく、開幕から周東佑京を辛抱強く起用していた首脳陣だが、交流戦からガラッと“方向転換”。周東の一番スタメンは交流戦開幕戦、5月26日の1試合のみ。代わって起用された牧原大成が好調だったのでこれでハマるかに思われた矢先、6月4日に左太もも付近の張りのため離脱してしまった。完全に不透明になった一番打者の行方だが、現在は牧原大に代わって昇格した三森大貴が必死にアピールを続けている。昨季のウエスタン・リーグ首位打者&最高出塁率者は、今季も二軍戦では高い打率をキープ。一軍でも6月10日の広島戦(PayPayドーム)で4打数4安打。ここまで12試合で43打数13安打、打率.302だ。このままポジションをつかみ、打率.229と調子の上がらない一番打者の打撃向上で攻撃にいい流れを生み出せるか。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 80点

 俊足巧打は衰えを知らない。今年10月で36歳を迎える、プロ12年目・荻野貴司が元気だ。右方向へ巧みに安打を放ち、83安打はリーグトップタイ。先頭打者本塁打も放つなど、パンチ力も併せ持つほか、快足も大きな武器だ。今季は9盗塁で7つ失敗だが、そもそも昨季から「(成功)率を気にしてしまうと、思い切りスタートが切れなくなる」と、一昨年までの“失敗しない”意識から変わっている。果敢にスタート切るとあって、安打で出塁すれば塁上でバッテリーに重圧を与え、二番・マーティンの強打との相乗効果は抜群。“幕張の韋駄天”が得点機を生み出していく。

埼玉西武ライオンズ



西武 55点

 辻発彦監督の“構想”は今年も頓挫してしまった。指揮官は2年前から「一番・金子侑司、二番・源田壮亮」のコンビを思い描いてきたが、金子がその座をシーズン通して守り切れない。今季も開幕から11試合、金子は一番に座ったが打撃低調で下位へ。結局、金子の一番での打撃成績は12試合、打率.191だ。その後、台頭したのが新人・若林楽人。一番で15盗塁、通算ではリーグ1位の20盗塁と快足ぶりを発揮したが5月下旬に左ヒザ前十字靭帯損傷で長期離脱へ。代わりに現在、一番を務めているのが2年目の岸潤一郎だ。思い切りのいい打撃が武器で2本の先頭打者弾を放っている。ただ、一番で出塁率は.258、0盗塁は物足りない。チームの先発一番成績も打率.244、出塁率.297と苦しい状況だ。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・淺間大基


日本ハム 60点

 一番打者には7人を起用。ほかの打順同様、一番を固定できない現状が低迷する打線の苦しさを物語る。昨季までの不動のリードオフマン・西川遥輝が最多の22試合で一番に座るも今季は不振にあえぎ、ルーキー・五十幡亮汰が16試合、淺間大基が11試合で一番を務めている。コロナ感染者の登録抹消により一軍昇格した五十幡は、驚異の脚力を存分に発揮し攻守走で存在感を示した。左太もも肉離れで治療中だが、潜在能力の高さは実証済み。そして現在、「一番・中堅」で3戦連続アーチを放つなど絶好調なのが淺間だ。一番での打率は.383、出塁率は4割を超える。この3戦でチームは1勝2分け。新たなリードオフマンがチームを勢いづける起爆剤となれるか。

写真=BBM
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