規定打席以上で「併殺打0」は過去に12人が達成
6月30日終了時点で規定打席に到達している選手はセ・パ合わせて52人。このうち、「併殺打」が「0」の選手はもはやいない。では規定打席以上で併殺打を1本も打たなかった選手は過去にいるのだろうか。1950年以降で調べてみると、該当したのは以下の12人だ。
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呉昌征(1951年/毎日)
104試合422打席381打数115安打 打率.302
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金田正泰(1953年/大阪)
127試合578打席486打数159安打 打率.327
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玉造陽二(1961年/西鉄)
129試合463打席415打数108安打 打率.260
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八田正(1966年/東京)
115試合436打席406打数102安打 打率.251
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藤田平(1969年/阪神)
130試合556打席526打数154安打 打率.293
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若松勉(1982年/
ヤクルト)
112試合428打席390打数121安打 打率.310
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松本匡史(1982年/
巨人)
113試合465打席415打数117安打 打率.282
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武藤孝司(1997年/近鉄)
119試合447打席390打数110安打 打率.282
●坪井智哉(1998年/阪神)
123試合455打席413打数135安打 打率.327
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清水隆行(2000年/巨人)
115試合431打席388打数105安打 打率.271
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田中賢介(2009年/
日本ハム)
144試合680打席575打数163安打 打率.283
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西川遥輝(2016年/日本ハム)
138試合593打席493打数155安打 打率.314
シーズン0併殺打は、1950年から2020年まででたった12人しか記録していない。このうち、1998年の坪井は入団1年目で快挙を達成。ルーキーながら卓越したバットコントロール技術で安打を量産し、首位打者争いを繰り広げたことは有名だが、実は「併殺打0」というとんでもない記録も達成していたのだ。
また、2009年の田中賢介は、全144試合に出場して、当時のパ・リーグ最多打席数を更新。それだけ数多く打席に立ったにもかかわらず(もちろん併殺打が発生するシーンはさらに限られるが……)、1度も併殺打を記録することはなかった。
現役選手で唯一、「併殺打0」を経験しているのが日本ハムの西川遥輝だ。2016年は序盤はバッティングに苦しんだが、1度も併殺打は記録せず。中盤以降盛り返し、自身初となる併殺打0のままシーズンを終えることとなった。
「3年連続で1併殺打以下」を記録している西川

2016年の日本ハム・西川遥輝
日本ハム・西川は、実は併殺打に関するNPBでただ1人の記録を持つ選手でもある。それが、「3年連続で1併殺打以下」という記録だ。
これまで2年連続で0併殺打という選手はいないが、「1併殺打以内での2年連続」は、南海の
蔭山和夫と、0併殺打も記録している八田正、松本匡史、武藤孝司の計4人が記録している。2年連続でも十分にすごい記録だといえるが、西川はこれを上回る3年連続での1併殺打以内を記録しているのだ。
西川は2014年に1併殺打しており、翌2015年も125試合に出場して1併殺打と先人に並ぶ2年連続を記録。しかし、その勢いはとどまることなく、翌2016年には先述のようにシーズン0併殺打を達成。残念ながら2017年は6併殺打で連続記録はストップしたが、そう簡単に並ぶことのできない記録といえるだろう。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM