入れ代わり立ち代わり記念撮影

大会第3日は第1試合(明桜-帯広農)の5回表が始まる前に雨天による中断となり、ノーゲームとなった。甲子園球場外ではこの日、ある変化があった
甲子園球場の8号門の横にある「試合案内板」に変化があった。
前日の第2日(8月11日)までは「
阪神タイガース仕様」であったが、第3日目(同12日)になって突如「高校野球仕様」に様変わりしたのである。
振り返れば昨年8月。3月のセンバツ大会中止を受け、出場32校が招待された甲子園交流試合では6日間を通じて「阪神タイガース仕様」だった。無観客(控え部員、保護者ほか一部の関係者のみ観戦可)だったとはいえ、何とも味気ないのが率直な感想だった。
昨夏の中止を経て、2年ぶりとなる夏の選手権大会が開幕した8月10日。まず、試合案内板を確認すると再び、複雑な思いになった。今夏も学校関係者のみの入場。「無観客開催」であるから、割り切るしかないと思っていた。
しかし、12日の朝、従来と同様の試合案内板が設置されていたのだ(当日と翌日)。開門前。学校関係者は、入れ代わり立ち代わりで、案内板の前で記念撮影をしていた。
大会本部の装飾担当によると「(阪神タイガース仕様では)高校野球らしくない、と……。初日に業者さんにお願いして、本日を迎えました。球場に入れない一般のお客さんのためにも、何かできることはないか、と。この夏のメモリアルとして、喜んでいただけているのであれば、大会主催者として、うれしいことです」とコメントした。
2019年夏までは当たり前にあったものがない事実に、寂しさを感じていた。真っ白な試合案内板が設置されているだけで、甲子園球場の周辺が明るくなった気がした。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎